• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 交流・まちづくり > 国際交流 > 地域外交課 > 海外駐在員報告 > 北米駐在員報告

ここから本文です。


北米駐在員報告

2003年1月 社会・時事
駐在員 : 松下 育蔵


知日家、親日派たちの相次ぐ本音の日本批判をどう受け止めるか
(在米ジャーナリストからの情報)

駐日英大使を務め、帰国後は日英協会会長まで務め、日本人からは「日英友好関係を促進させてくれた親日家」と尊敬されていたジョン・ペルチャー氏(1990年に死去)が帰任前に英外務大臣に送った極秘電報で「日本人は道徳規範を持たず、利己的で日和見主義者だ」とさんざんな対日批判をしていたことが30年後に判明。また、アメリカでも在日30年の学者・ジャーナリストで親日家とされてきたアイヴァン・ホール氏が日本の親米派知識人たちを徹底的に批判した『Bamboozled!』(騙された)を出版するなど、このところ日本をよく知る欧米人の本音の対日観が暴露されている。
ジョン・ペルチャー氏の書簡は1月2日ロンドン発の共同通信が報じたもので、2日までに英国政府が解禁、英国公文書館で公開され、この書簡の日付は、1972年6月8日となっている。内容は、「日本人は厳格な形式が骨格をなしている反面、道徳規範がない。神道は日本人に優越感を与えただけで、日本人自身は道徳観にかけている。その例が国外における彼らの行動だ。国外に出ると本性がむき出しになり、これが第二次大戦中、日本軍の蛮行の基本的な要因となった」などと分析している。日本についてはなにも知らないと思われる当時の外務大臣、アレク・ダグラス・ヒューム氏に「日本通の外交官」が送っているわけだから、英国の対日外交に及ぼす影響は極めて大きかったと思われる。
在米ジャーナリストの1人は、「ものを落としたら二度と見つからないといわれるロンドンから来た英国人が『日本人に道徳心がない』とはよくぞ言ってくれたものだ。神道には西欧のユダヤ・キリスト教的道徳はないかもしれないが、『道徳に欠ける』とは日本人が聞き捨てならぬと怒っても仕方ない。通訳上がりのこの大使、よほど嫌な日本人たちと付き合ってきたのではないか、と思わざるを得ない。」とコメントをしている。
一方のホール博士。米紙の東京特派員、大使館文化担当、米財団代表、日本大学教授などを経験しながら30年にわたり日本に住んでいた、まさに知日家中の知日家。1997年には『知の鎖国』(邦訳)という本を出版、その中で「真っ先に市場開放すべきは、日本の法曹界、ジャーナリズム、学界だ」とその閉鎖性を叩いたことがある。今回の二作目では一歩進んで「米知識人や役人は日本の知識人に、アメリカと価値観を共有しております、と言われてその気になっていたが、日本とアメリカは似て非なるもの。はっきり言って過去50年間、われわれは日本人に騙され続けてきたのだ。」と激しい口調で日本を叩いている。
そのいくつかの例を挙げると、「2001年9月11日の同時多発テロが起こった時に、西欧の首脳は直ちに『テロは断じて許さない』との談話を発表しているのに、小泉首相が談話を発表したのはなんと翌日。ドイツ国防相が『戦後のドイツ復興はアメリカのお蔭だ。今テロに愕然としているアメリカを励まし、勇気づけるのは真の友であるドイツ人だ』と言っているのに比べ、雲泥の差だ。」「そればかりか日本のメディアと知識人は、同時多発テロの後、しきりと日本とイスラム世界との宗教上の共通項を強調、特に、日本の知識人の中には『イスラム社会は日本と欧米とを分けて考えている。日本に対する特別の親近感を持っている』と言う者までいる。日本の神道や仏教とイスラム教とは両極端であり、どのような共通項があるというのか。」など。
こちらの本は、一応事実関係に基づいて、これでもかと実例を挙げ、日本人がアメリカ人に言うことと実際に考えることの違いを赤裸々に暴いているという。こうした中、東京大学や上智大学、ニューヨークの日米協会で、ホール博士の講演を聞こうという計画が持ち上がったが、結局流れてしまった。「日本もここは堂々と構えて、ホール博士を呼んでじっくりと持論に耳を傾けてもいいのではないだろうか。常に耳あたりの良いアメリカ人の対日観を聞いていると、現実の国際状況を見失うことにもなりかねない」という在米日本外交官の意見もある。

お問い合わせ

知事直轄組織地域外交局地域外交課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3066

ファックス番号:054-254-2542

メール:kokusai@pref.shizuoka.lg.jp