北米駐在員報告
1999年5月 行政 駐在員 : 若梅真樹
・ シニア・シティの誕生
米国で初めて高齢者を対象とした市が誕生した。カリフォルニア州オレンジ郡にできたラグナウッズ市は、1964年にオープンした高齢者のためのゲート付きコミュニティー「レジャーワールド」をまるごと市にしたかたちで、四方を壁で囲った中に18,000人の住むシニア住宅街と、その周辺の60のビジネスオフィスビル、3つの引退者ホームを取り込んだだけの小さな市である。
入居の条件は、1世帯に少なくとも55歳以上の家族がいること、また1戸建てへの入居の場合は世帯の年収が27,000ドル以上、住宅購入後に50,000ドル以上の資産が残っていることなどがある。また、居住者は、家の修理、バス路線の乗車賃、ケーブルテレビ代、ごみの回収費などの経費として毎月340ドルの管理費を支払うこととなっている。
「レジャーワールド」は民間4社の所有となっており、5つのスイミングプール、2つのゴルフ場、8つのテニスコート、馬場、フィットネスセンター、240の趣味クラブなどが用意されている。まさにシニア市民がパラダイスと呼ぶにふさわしい環境で、ラグナウッズ市の成り行き次第では、社会の高齢化に伴いこのような施設や市が次々と誕生するのかもしれない。
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