ヨーロッパ駐在員報告
1999年4月 経済 駐在員 : 森 貴志
・ユーロ圏の経済予測
パリに本部を置く経済開発機構(OECD)は3月24日、ユーロ圏の経済見通しに関する報告書を発表し、99年の経済成長率を当初の2.5 %〜3%から約2%に下方修正した。
ユーロ経済は個人消費や企業投資の伸びに支えられて、今後数年間成長を続けると予想する一方、日本やロシアの景気回復が遅れた場合、ユーロ経済も減速する恐れがあると警告している。また、ユーロ圏の経済安定を図るためには加盟国の政治的融合が不可欠だと指摘した。
報告書はまた、加盟国間の経済格差により、「不均衡ショック」が生じる危険性を指摘し、労働市場と労働力の流動化を対策にあげた。ユーロ圏で雇用が増えても失業率が改善されないのは、米国などに比べて労働市場が柔軟性を欠いているためだとし、最低賃金の引下げを含む柔軟な賃金体系の導入を提言した。
日付別一覧 地域別一覧 分野別一覧
|