東南アジア駐在員報告
2018年8月 経済 駐在員 : 芦澤 裕之
5月にオーストラリアのシドニーとメルボルンで開催された観光商談会に出展した。世界銀行の調査によれば、オーストラリアの2016年の1人当たり名目国民総所得(GNI)は54,230ドルで、日本(38,000ドル)の1.4倍となっている。また、2017年のオーストラリア人の訪日者数は、前年比11.2%増の49万5千人で、当事務所管内ではタイに次ぐ2番目となっている。しかもオーストラリアはラグビー大国であり、ワールドカップが来年に迫っている現在、ぜひとも押さえておかなければいけない市場である。
今回の商談会には、静岡ツーリズムビューロー(TSJ)と、地域に根差したエコツアーを開発している(一社)エコロジック(富士宮市)と共同で参加した。
エコロジックが販売する富士山麓でのマウンテンバイクツアーや文化体験ツアーは、体験料1〜2万円の比較的高額な商品であるにも関わらず、旅行会社から大変な好評を得た。これは、こうしたツアーが現地の生活水準やライフスタイルに合っているからだ。2018年7月1日現在のオーストラリアの最低賃金は1時間当たり1,569円で、給与水準が非常に高い。また、街はどこも清潔に保たれ、スポーツバイクやランニングで通勤する姿が多く見られるなど、環境に配慮した健康的なライフスタイルが定着している。エコツアーはこうした層にマッチする観光商品というわけだ。
普段、東南アジアの観光PRでは、県内の宿泊や観光施設などは「高い」という反応をもらうことがしばしばである。付加価値の高い素材を持つ事業者や地域は、このように商品を正当に評価してくれる市場や層にターゲットを変更してはいかがだろうか。
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