5月4日(木)に国際観光振興機構(以下、「JNTO」という。)シンガポール観光宣伝事務所(以下、「同事務所」という。)がオープンした。これは2006年度からシンガポールがビジット・ジャパン・キャンペーンの重点市場の一つに指定されたことを受けて、日本への観光客誘致の拠点を設けたものである。同事務所はシンガポールのみならず、マレーシア、インドネシア、インドを管轄し、同地域からの訪日旅行者の誘致促進体制を整備・強化することを目的とし、今後活動していくことになる。
同事務所開設以前の東南アジアにおけるJNTOの活動は、タイのバンコック事務所がほぼ全域をカバーしていたが、これによって同事務所の管轄地域はタイ、フィリピン、ベトナム等に縮小される。また、同事務所の開設に伴い、予算配分の関係から米国のロスアンゼルス観光宣伝事務所サンフランシスコ分室は閉所されることが決まっている。
事務所の構成職員は、所長、副所長2名、現地職員2名の計5名で、事務所の開所に先立ち、現地の企業、日本の地方公共団体、旅行・観光・運輸事業者に対し、情報や資料の提供を求めるなど準備活動に奔走していた。
また、5月4日(木)から7日(日)までの4日間に「Yokoso! Japan Street Fiesta 2006」と称し、オーチャードロードの一角にあるプラザ・シンガプーラというショッピングセンターの前の広場で、オープニングキャンペーンを行い観光パンフレットの配布などを行った。なお、県東南アジア駐在員事務所も、静岡県への観光客誘致活動の一環として参加した。
JNTOの同事務所に入ると、広さ6畳くらいのスペースに観光パンフレット用の棚が並んでおり、訪問者は自由に資料を持ち帰ることができる。また、各種団体がパンフレット等を提供すればこの棚に並べてもらうことも可能である。同事務所は、県東南アジア駐在員事務所と同じビルに入居したため、相互の交流がし易い。また、ビジット・ジャパン・キャンペーンの重点市場の一つに指定された事情もあり、積極的なアプローチを歓迎している。静岡県への東南アジアからの観光客誘致活動を積極的に展開する際には頼りになる存在が近くに来てくれたということだ。