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ヨーロッパ駐在員報告
2000年1月 経済 駐在員 : 森 貴志
仏、暴風災害で多大な被害
12月25〜26日、27〜28日の二回に渡ってフランスを襲った暴風は、仏北部・南西部を中心に死者89人を出す大災害となった。政府の見積もりによる暫定被害総額は、410〜460億フランに達し、特に電気の復旧に時間がかかっている。この暴風でドイツ、スイス、オーストリア、スペインなど他の欧州諸国でも計40人あまりの死者が出た。
半世紀に一度といわれる暴風は、1回目はフランスの北半分を、2回目は南西部・中部 山岳部を中心に吹き荒れ、瞬間最大風速が55メートル前後にまで達した。このため、各地で木が倒れたり、家屋が破損したり、電線が切れるなどの被害が続出し、木や家屋の下敷きになるなどして89人が死亡、多数が負傷したほか、倒れた木で道路が不通になったり、停電により鉄道が不通となったため交通が麻痺したほか、一時は200万世帯で停電となった。また、パリのブローニュとヴィンセンヌの森で森のほぼ半分の木がなぎ倒され、ヴェルサイユの宮殿の庭でも6千本が被害を受けた。
多大な被害を受けた電気網は連日必死の復旧を続けていたが、完全な復旧にはまだ時間がかかると見られ、120億フランが必要と見積もられている。また、歴史的建造物も大きな被害をうけ、特にヴェルサイユ宮殿,パンテオン、ノートルダム寺院など被害総額は5億フラン以上になるという。
さらに、森林は全国で面積にして計9000万〜1億平米、3億本に上る木が破損したり倒れたりするなどの被害があり、木材の価格上昇が懸念されている。
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