台湾駐在員報告
2018年2月 政治 駐在員 : 宮崎悌三
中国政府は、年明けの1月4日から台湾海峡の中間線付近を飛行する民間航空機用航路を新たに開通した。台湾にとって、この空域は防空上の必要から設定している防空識別圏と重なる。2015年にも中国は独自に台湾海峡の中間線付近を民間航空機用航路に設定したが、台湾が同様の理由で難色を示し、運用を見合わせた経緯がある。
今回の開通は、中国による事前通告なしの決定によるもので、台湾としては受入れ難いことから、春節(今年は2月16日)に合わせて中国から台湾へ帰省する旅客用に臨時運航を予定していた航空便のうち、中国系航空会社による運航許可を保留する対抗策に打って出た。
しかし、運航許可を保留された中国系航空会社は、臨時運航の申請そのものを取下げたため、臨時便の3割が運航中止となった。これによる影響は約5万人に及ぶものとみられる。
台湾当局は、台湾系航空会社に対して増便を要請するとともに、中国から台湾へ帰省する際の搭乗便やルートの変更を求めている。
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