東南アジア駐在員報告
2017年4月 経済 駐在員 : 芦澤裕之
県は、2月から3月にかけて、シンガポールのレストランで静岡フェアを開催した。フェアの会場は、カジュアル和食レストラン、高級和食店、高級ホテル内ブッフェレストランの3店舗。場所や客層が異なる店舗で、シェフとの協働により、県産食材を使った期間限定メニューを提供していただいた。使用した食材は、生鮮食品では桜えび、しらす、鯛、鰤、鰹、メロン。加工品では餃子、茶そば、わさびドレッシング、わさび漬け、しらす天の計11品目となった。
会場となったレストランからは、静岡フェアの開催により客数が伸びたという好意的な声が聞かれ、今後扱ってみたい静岡県産品としては、さくらえびを筆頭とした鮮魚、緑茶、青果加工品が挙げられた。来客からの評判が特に良かったのはメロンで、当初の予測を大きく上回る数量を出荷した。
日本食レストランが飽和状態にあるシンガポールでは、店舗同士の競争が激しくなっている。このため、フェア会場となった高級和食店「匠レストラン」では、餅つきや流しそうめん、鮮魚解体ショー、うなぎつかみ取りなどの食文化体験を取り入れ、リピーター確保に取り組んでいる。日本食材についても産地間競争が激しくなっており、レストランやスーパーで「〇〇県フェア」の文字を見ない日がないほどだ。
今回のフェアの結果は数字やレストランの評価から見れば成功といえるが、現地に根付くためには継続的な取組が必要なことは言うまでもない。当事務所では、今回の結果をメニューの定番化や、他店舗への広がりに結びつけるための活動を行っていく。
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