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中国駐在員報告2005年7月 経済 繊維・アパレル製品の状況 欧米との繊維貿易摩擦で、一部の中国製品に対し米国がセーフガードを発動し、また対EU向けの繊維・アパレル製品に、中国が輸出制限をかけることになった。そのため、輸出を制限された製品が国内市場へ流れ始め、また一部では「輸出用生産能力の25〜35%が過剰となっている」と言われている。 輸出用製品は欧米向けのためデザインが国内向けとは違い、また布等の材料や縫製加工もよく、そのため価格も高かったが、過剰になったことにより価格が低下し始め、製品は中国国内市場だけでなく日本など欧米以外の市場へも向かう可能性があり、新たな貿易摩擦を生むことも考えられる。 また、中国国内市場向けの製品は低価格にするため生産過剰ぎみであり、そのため経営的に厳しい企業が多く、低価格輸出用製品はそれら企業の経営に影響を与えることが予想される。 欧米との貿易摩擦は、中国国内のアパレル製品市場及び業界全体に波及すれば、日本の市場及び業界にも大きな影響を与えそうである。 中国国内では服装におけるTPOの考えがまだ充分認識されていない状況で、上海で不思議と感じたことがいくつかある。その一つはパジャマで外出している姿である。 「やはり、あれはおかしい」と上海の若い人達は言うが、その理由について聞くと「地方から出てきた人と区別して、私は上海人だ。」とのアピールではないかと言っていた。 デザインに優れ、品質のよい輸出用製品が低価格で入手できるようになれば、市政府が公衆マナー向上を呼びかけている「做可愛的上海人(素敵な上海人になろう)」キャンペーンやTPOにあった服装が進み、デザインや品質のよい製品がより多くの人に受け入れられると思う。 |
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