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東南アジア駐在員報告
2000年10月 社会・時事
駐在員 ： 岩城徹雄
シンガポールにスピーカーズコーナー開設
市民が自由に演説できる広場「スピーカーズコーナー」が、9月1日にシンガポールの中心街の公園に開設された。イギリス・ロンドンのスピーカーズコーナーに倣って作られたこの広場は、毎日午前7時から午後7時の間、国民ならだれでも自由に自分の意見を述べることができ、聴く人も質疑など議論をして構わないというもの。事前登録が必要で、他の民族や宗教に対する誹謗中傷は禁止、公用語（英、中、マレー、タミールの4言語）で話すことという基本的な条件はあるが、自由に自分の意見を主張できる。
開設初日には、大勢の聴衆を前に約20人が入れ替わり立ち代わり演説をし、欧米各国の報道機関もニュースとして取り上げ、数日後には中学生も民主主義や教育制度などをテーマに演説をするなど、国民の間でもかなりの話題になっていた。
開設後１か月を経過した現在では熱も冷め、土、日曜は夕方に何人かが話し、聴衆も数10人ほど集まっているが、平日は夕方に1、２人が話す程度、聞く人もあまりいない状況で、テーマも身近な問題への不平不満が多い。言論統制が厳しいと言われるシンガポールでの画期的な試みだけに、自然消滅せず国民の中に定着してほしいと思う。
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