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ヨーロッパ駐在員報告
1999年7月 経済 駐在員 : 森 貴志
・ 小売店の営業時間再延長求める
ドイツで小売店の営業時間を厳しく規制している「閉店法」について、緩和を求める動きが州政府などから起っている。ベルリン市(州と同格)はこのほど、月曜日から土曜日は午後10時まで営業を認める法案を、連邦参議院(上院、州政府代表で構成)に提出した。
ドイツでは現在、小売店の営業時間は平日が午前6時から午後8時まで、土曜日は午後4時までと定められ、日祝日は営業が禁止されている。同法は1956年に制定され、ドイツの象徴的な規制社会制度とも言われている。生活の多様化や大量の失業者問題などを受けて、96年に40年ぶりに抜本改正され、それまで平日は午後6時30分(木曜日は午後8時30分)まで土曜日は同2時までとされていた営業時間が延長された。
ベルリン市は、現在は各州が独自の例外規定を持っており、法律が無秩序状態に陥っていると指摘、競争政策上からも改正が必要としている。また、経済界を支持基盤とする自由民主党(FDP)は閉店法の全廃を主張している。
しかし、ドイツ従業員労組(DAG)は「前回の営業時間延長では、売上も伸びず、雇用ももたらさなかった。増えたのは小売店従業員の負担だけ」と強調し、反対の姿勢を示しており、今後激しい議論が展開されそうだ。
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