台湾駐在員報告



2020年8月 行政
駐在員 : 宮崎 悌三


台湾の行政院(内閣に相当)は、新型コロナウイルスによる感染症の影響で停滞する経済の活性化策の一環として、消費喚起を狙う消費振興券を発行した。低所得者には無料で支給されるが、一般には1,000元(約3,600円)を払うと額面3,000元分の商品券を入手できることから、「振興三倍券」と呼ばれている。振興三倍券は換金不可で、その用途はクレジットカードやモバイル決済にも適用される等、用途が広い。使用期限は年末までとされている。
振興三倍券は、7月中旬の発売から月末までで全市民のおよそ4分の3にあたる約1,770万人がすでに購入した。振興三倍券を商機と捉えた小売業、サービス業、観光業等はこぞって様々な特典を工夫して顧客の取込みに躍起となっている。
政府系研究機関の中央研究院や民間の金融持ち株大手企業等は、振興三倍券の効果について、域内総生産(GDP)を0.1から0.4ポイント程度押し上げる効果があると試算している。
振興三倍券のほかにも、政府の発行する消費喚起目的のクーポンは、文化・芸術分野で使用できる「芸FUN券」、第一次産業分野での観光で使用できる「農遊券」、スポーツ分野で使用できる「動滋券」、客家文化を楽しむための「浪漫客庄旅遊券」等、所管官庁が主導して発行しており、これらは抽選により入手できる。
政府が次々と繰り出す各種の消費喚起策によって、台湾の経済がどの程度回復していくのか今後も注視していきたい。

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