東南アジア駐在員報告
2015年9月 社会・時事 駐在員 : 吉住理恵子
県立科学技術高校(以下、科技高) 生徒10名が引率教諭とともに、研修旅行でシンガポールを訪れ、現地高校の授業体験、現地日系企業の工場見学、ホームステイなどの研修プログラムを行った。
当事務所ではシンガポールに進出している日系企業デンカ(電気化学工業)の視察をアレンジした。デンカは、今年創立100周年、シンガポールに進出してから35年の歴史を持つ日系化学工業メーカーで、科技高の研修では、ウィッグやヘアピースの材料となる合成繊維「トヨカロン」を生産するデンカアドバンテック・サウス工場を視察した。
化学工業が集積するジュロン島を一望できる高台で、シンガポールに化学産業が集積した理由などの説明を受けた後、シンガポール島の最西端にある工場を訪問し、工場長からトヨカロンの製造方法の説明を受けた後、実際の製造現場を見学した。生徒は真面目な態度で真摯に見学に臨み、多くの質問がでて充実した研修の時間となった。
高校生にとって、初めて体験する海外は、観光だけでもいろいろな発見はある。それに加えて、学校で学ぶことの延長上に社会があり、これからの時代は自分が働くことの延長線上が世界につながっていく可能性があることを理解し、体感する意味で、海外研修の中に、海外で活躍する日本企業の見学を取り入れた科技高のプログラムは意義深い。
シンガポールは人種多様性の面からも、教育的効果が高いと思われる。今後、明確な目的意識をもち、研修旅行で当地を訪れる高校が増えることを期待したい。
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