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2000年8月 社会・時事駐在員 : 今村理一郎
中国東北地方中心都市「瀋陽」視察 7月13日に遼寧省瀋陽市で第9回中国駐在自治体連絡会議が開催され、中国東北地方の内陸部を視察する機会を得たので、その状況を報告する。 開催地の瀋陽市は、人口670万人、「奉天」という名前で多くの日本人に知られている中国東北部の政治経済の中心地である。 戦前に建てたられた瀋陽の駅(現在は、北駅が新しく造られ、そこが中央駅となっている)は、昔のままの姿を残しおり、その近くの路上には露店が並べられ、歩道は大部分が未改修のままで、ゴミが散乱していた。(これは、一部の都市を除いて大差ない状況である) 建物の外観、商店の数、商品、市民の着ている服,走っている車の数と種類そしてタクシー料金やスイカの値段などが上海よりも3割方安く、全体的に上海とはかなりの経済格差があるという印象を受けた。 中国東北部(遼寧省、吉林省、黒竜江省)は,大型の国有企業が地域経済を担っていたことが災いし、現在国有企業改革が進められる中でリストラによる失業者が増大し、社会的不安が増大している地域の一つと見られる。最近でも5,000人余の労働者が省政府の前で警察と衝突し,死傷者が出たと報道されていた。現地でこの報道について確認したところ、ほぼ連日、午前中に省政府の前で労働者の賃金の支払いを求める集会があるとのことであった。 また、倒産し正門が鎖で閉じられた国有企業を見たが、正門の壁に書かれた「今天工作不努力、明天努力找工作」(今日仕事を一生懸命やらなければ、明日仕事を一生懸命探さなければならない)の標語が何故か悲しく感じられた。 国有企業の倒産の及ぼす影響は,日本の企業倒産とは異なっていて、中国の場合、退職者の養老年金や医療保障等福利厚生が自分の所属した単位、企業が終生支給する仕組みになっており、企業が倒産すれば、従業員の生活だけでなく、退職者の基本的生活まで破壊されることになる。政府が優良企業との合併などによる救済策を図ろうとするのもこのためである。 次に、旧市街と線路を隔てた反対側の新興住宅地で、現在、急成長を遂げている日中合弁のソフト開発会社を見たが、50万uの工場敷地内には従業員用のテニスコート,ゴルフ練習場などのスポーツ施設や公園が整備され、また守衛室やテニスコートが備えられた新築の高級高層住宅(駐車場には、かなりの台数の個人所有と思われる車が駐車していた)や一戸建て住宅なども整備されており、夏冬温度差60度を超えるこの地にも、やはり確実に改革開放の波が押し寄せているのを感じた。
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