令和3年度以前知事記者会見

2010年6月14日(月)


発表事項(1)静岡型事業仕分けの実施 (2)平成23年度静岡県の提案 (3)すべての社会福祉法人で介護保険サービス利用者負担軽減実施 (4)「ふじのくに食の都」シンボルマーク・表彰楯デザイン募集
発表事項(5)沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議の設置 (6)口蹄疫対処訓練の実施 (7)宝くじに関する事業仕分け結果 (8)前原国土交通大臣の県内視察
静岡型事業仕分けの実施
沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議の設置
前原国土交通大臣の県内視察(御前崎港関係)
富士山静岡空港の需要予測
菅新内閣への期待、民主党の参院選静岡選挙区候補者の擁立、サッカーワールドカップ日本代表の初戦に向けて
草薙総合運動場体育館の整備

発表事項(1)静岡型事業仕分けの実施 (2)平成23年度静岡県の提案 (3)すべての社会福祉法人で介護保険サービス利用者負担軽減実施 (4)「ふじのくに食の都」シンボルマーク・表彰楯デザイン募集

<知事>

     私の方から、8項目ほど発表いたします。


    【静岡型事業仕分けの実施】

     まず、事業仕分けでございますが、9月4日と5日、土曜日曜ですが、県庁内の会議室におきまして、事業仕分けを実施いたします。これは、業務棚卸表と組み合わせてやるという静岡方式でございますが、ほぼすべての施策に対して事業仕分けをかけるということです。実際は、細かく見れば数千の事業がありますが、その大本のところで、大きな事業を事業仕分け人に仕分けをしていただきます。ただ、コストベネフィットの観点からの仕分けですので、それに向かないような、文化・教育・学術に関わるものは除いております。


    【平成23年度静岡県の提案】

     続きまして、第2番目ですが、すでに6月10日に、「平成23年度 静岡県の提案」というものを発表いたしました。これは、従来、国に陳情していたものでございます。国に陳情すると言っていた訳ですが、これは、本県出身の国会議員を通して、国に、「こういうことを我々は政策として、国と県とが両方関わる形でやる政策を持っております」という提案でございまして、中身といたしましては、国会議員で本県出身の方々が、そうした提案に対してどれだけの貢献ができるかという観点から、私はこの提案を国会議員の皆様方に提示するということでございます。これまで、東京におきまして、国会議員・国会議員秘書などを対象とした説明会などを開催していた訳ですが、今回の方法に変えまして、116万円の経費が削減されました。これからも、そのような陳情はいたしません。
    もし、例えば、「JICAグローバルユニバーシティを作って」ということになりますと、どなたがこれを意思決定するポジションにいらっしゃるかということで、私自身が、あるいは本県でその事業に関わるトップの者が、向こうのトップに直談判をして、意思決定者とお話をするということで、不特定多数の国会議員の皆様方に、部屋をお借りして、たくさんの部数のものを配って無駄にするということを止めました。


    【すべての社会福祉法人で介護保険サービス利用者負担軽減実施】

     3番目でございますが、これは非常に重要なことです。全国で初めて、県内すべての社会福祉法人で、介護保険サービス利用者負担額の軽減を実施することができるようになりました。介護保険制度では、所得の低い方が介護保険サービスを利用しやすくすることが大きな課題です。県では、所得の低い方が必要なとき、必要なサービスを利用することができるように、介護保険サービスの軽減制度の実施を社会福祉法人に強力にお願いしてきた次第でございます。
    昨年の4月におきまして、県内社会福祉法人が軽減制度を実施していたのは、まだ全体の61パーセントに留まっていましたが、こうした事情を踏まえまして、まだそういう軽減を実施していない社会福祉法人に対しまして、健康福祉部の担当職員が、本当にきっちりと、一つ一つ直接御訪問を申し上げまして、汗をかきまして、軽減制度の趣旨をしっかりと丁寧に説明をして、その実施をお願いするということをしてまいりましたところ、ついに、今まで実施していなかった社会福祉法人からも、制度を実施するとの申出書が提出されまして、全国で初めて、本県のみが、すべての社会福祉法人から御理解を賜りまして、低所得者に対する利用者負担額軽減制度実施率が100パーセントになったということでございます。
    この軽減制度によりまして、特別養護老人ホームに入所されている方の場合、自己負担する利用料が、月額5,000円程度から25,000円程度、特に、所得の低い方にとって軽減されることになり、その効果は大きいと思います。この場におきまして、この軽減制度の実施に御協力いただきました社会福祉法人の皆様方に深く感謝を申し上げる次第でございます。完全実施に向けて力添えをいただきました静岡県老人福祉施設協議会をはじめ、関係団体の皆様方にも御礼を申し上げます。ありがとうございました。
    今後、県民の皆様が、誰でも必要なときに、必要な介護サービスを受けて、安心して老後を送ることができるよう、介護保険制度の充実に向けて、努力してまいります。詳細につきましては、この記者会見の後に、健康福祉部の方から説明をいたします。


    【「ふじのくに食の都」シンボルマーク・表彰楯デザイン募集】

     続きまして、これは明るいニュースですが、「ふじのくに食の都」のシンボルマーク及び表彰楯のデザイン募集でございます。本県の219品目という食材、日本一でございます。食材の王国というように自称することができる訳ですが、持っている場の力を活かしまして、「ふじのくに」食の都づくりを進めています。この取組の一環といたしまして、静岡県産の食材を使用することを通じて、本県の農林水産業の振興に貢献していただいている料理人、「ふじのくに食の都づくり仕事人・料理人版」。食の都づくりにはいろんな方々に御協力をいただく訳ですが、今回は、料理人版ということで、200人程度を表彰するということにしています。
    そして、今回、一般公募をいたします「ふじのくに食の都」シンボルマークは、食の都づくりの推進役として表彰する料理人に贈るバッジのデザインに用いる他、いろいろな形で利用できるというものでございまして、これは「ふじのくに食の都」をPRするために利用するというものです。受章した料理人の方が、例えばバッジを付けるとか、徽章として身に付けることが楽しい、誇りに思える、そしてできる限り多くの人々に憧れを呼ぶような、そういう素晴らしいデザインを考案していただければと願っております。
    表彰楯の方は、「ふじのくに食の都づくり仕事人」として表彰された料理人の店舗に置いていただくものでございます。そのデザインは、若手の育成という観点から、デザイン系大学の学生さんに、ふるって応募していただきたいと思っています。将来、デザイン分野で活躍したい学生さんには、特に積極的な応募を期待しています。なお、「ふじのくに食の都仕事人」として表彰する料理人の公募につきましては、現在、静岡県農林水産業振興会において、募集要項の作成を進めておりますので、近日中にお知らせすることとなります。
    それから、「ふじのくに食の都づくり」の今年度の事業といたしましては、3回ほど考えておりますが、まず1回目は、食文化の達人で学者でございます静岡文化芸術大学の熊倉功夫先生に、お茶の郷(さと)とも言うべき牧之原の富士山静岡空港のそばにあります石雲院におきまして、講師としてお迎えして講義を賜るということを考えています。また、第2回目には、有名な栗原はるみさん、息子さんの栗原心平さんも有名ですが、栗原はるみさんをお迎えするという予定です。3回目には、パリの三ツ星レストランの「アルページュ」のオーナーシェフでございます、アラン・パッサールさんにもお越しいただけるというようになっております。本県の優れた農芸品を、県内外の方に知っていただく「食の芸術(集い)」を11月末に開催する予定でございます。以上、「ふじのくに食の都」に関することでございました。




発表事項(5)沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議の設置 (6)口蹄疫対処訓練の実施 (7)宝くじに関する事業仕分け結果 (8)前原国土交通大臣の県内視察

【沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議の設置】


 第5番目は、沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議の設置でございます。沼津駅付近鉄道高架事業については、これまで平成24年度に事業再評価を実施する予定でございましたが、国が方針を改めまして、平成23年度に前倒しして実施することになりました。
この再評価に臨むにあたりまして、客観的・科学的見地から、現行計画について改めて検証していただくことになります。このため、社会経済情勢の変化を踏まえまして、現行計画について検証していただくことを目的に、まちづくり、交通、公共政策等の専門家で構成する「有識者会議」を、今年夏頃を目途にいたしまして、設置いたします。メンバーについては、現在人選を進めているところでございますが、例えば、国土審議会でまとめ役を務めておられます森地茂先生(政策研究大学院大学教授)などを考えております。


【口蹄疫対処訓練の実施】

 それから、6番目でございますが、口蹄疫の対処訓練の実施についてでございます。本県で、仮にも、口蹄疫が発生した場合を想定いたしまして、県庁内の初動防疫体制の確立にポイントを置いた訓練を、6月17日木曜日に実施いたします。まだ、宮崎県の口蹄疫に終息の兆しが見えない状況でございますので、これは、初動体制が非常に重要だということで、経済産業部、危機管理部、警察本部等の関係部局による対処訓練を実施いたしまして、発生初期における業務の流れや各部局の役割分担、連携等を確認するということでございます。


【宝くじに関する事業仕分け結果】

 それから、前後いたしますが、前回の記者会見のときに、「宝くじに関する事業仕分けの結果についてどう思うか」という御質問がございまして、そのとき、返事を今回(の記者会見で)いたしますというふうに申し上げました。この宝くじの収益金は、都道府県・政令市の貴重な一般財源になっております。宝くじに関する事業それ自体は大変重要であると思っております。ただ、そこに関与されている普及宣伝のために委託している日本宝くじ協会自治総合センターがございますが、それに対しまして、事業の廃止・見直しを行うべしという評価結果が出ました。それを廃止しない限り、宝くじの事業をするべきでないというのが事業仕分け人の結論でございましたが、それは違うだろうと。こちらが実施主体ですから、発売者である都道府県等が主体的に考えるべきではないかと思っておりまして、都道府県等が発売している宝くじの発売を国が認めないというのはちょっと違うのではないかと思います。そういう考え方であります。


【前原国土交通大臣の県内視察】

 最後に、先週の末、6月12日に、前原国土交通大臣、藤本政務官、津川政務官が、御前崎港と富士山静岡空港を御視察になられました。これは、現在、重要港湾というものが103あるのですが、その中から40ほどに絞り込むという、いわゆる「選択と集中」の一環でお見えになりました。御前崎港を重点港湾にするかどうかということについては、二つの条件があると言われました。これは、報道もされているとおりですが、一つは、いくつにも分かれている所有・管理・運用、これを一体的に経営していくようにと。しかも民間の視点でやっていくようにということです。これが第一点。それから、取扱量、貨物量が増えていくかどうかということ。この二点でございました。
二点目につきましては、まもなく牧之原インターチェンジのところまで連絡道路が、東名から御前崎港までつながる連絡道路が開通いたします。それから、スズキ自動車は相良工場で19万台体制を敷いています。これを26万台体制にするということでございます。さらにまた、進出する企業もあるとのことで、これは伸びしろは大丈夫です。一体的経営は非常に難しいということでございますが、これは私は不退転の決意をもって、この二つの条件をクリアしていきたいと思っております。文字通り不退転の決意をもって臨みたいと思っております。
この御前崎港を支えるために、最後は重点港湾になるかどうかということにつきまして、大臣との膝詰め談判だというようになりますと前原大臣の方から言われましたが、私は、これは退路を断つようなつもりでお話し合いに臨むというようにします。御前崎港を支えていくというその決意は、非常に強いものがありますので、この点は、前原大臣にもその場でお伝えいたしましたが、改めてここでも申し上げておきます。
それから、空港につきましては、今の11時間半の運用時間を13時間にすると。これは本来、そういう協定として地元と結ばれていたものですが、午前7時半から午後8時半までの13時間にするということについても、その場で航空局長の方から、人の手当も含めて、「できるだろう」ということでございました。また、西側のエプロンについても、前向きにお認めくださるということで、前原大臣は、この空港を「地方空港のモデル」とまで言ってくださって、大変嬉しく思いました。
そうした中で、「需要予測がでたらめだ」と言われたのは大変印象的でございました。実際、需要予測を皆様方もよく御覧になりますと、予測値138万人だけが一人歩きして言われていますが、中身を御覧くださいませ。例えば、ソウル便というのは、週3便となっております。実態は週14便ですね。それから、国内の福岡にしろ、札幌にしろ、沖縄にしろ、どれ一つとして一日何便として当たっているものがありません。ですから、いかにこれがひどいものであるかということが、少しく中身を見れば分かる訳ですけれども、前原大臣も「でたらめだ」というふうに言われまして、私としましても、もうそれには基づかないと。実際上、全席合わせて90万席強。その3分の2が搭乗率という形で出ておりまして66パーセント、60万人強の方々がお乗りくださっている。さらに、飛行機が増える、ましてやいろんな小型機の着陸が4百数十機ありまして、3分の1は断っているというようなことで、ある意味で発展の可能性が非常に高いということです。どこかの会社の社長さんが、「138万台になるまでじっとそこで待って、見守っている」というようなことを言っている空港会社のトップがいますが、これはもう論外だと思っております。私としましては、この動きながら考えるということでございますが、もうモデルとされたということですので、空港の方は非常に安心しております。
御前崎港に関しましては、不退転の決意をもってこれを駿河湾港の一つとして、重点港湾になるように働きかけてまいると。これは短期決戦でございます。
 以上8点、私の方からの報告でございました。




静岡型事業仕分けの実施

【静岡型事業仕分けの実施】


<記者>
 静岡県としては2回目の事業仕分けですが、改めて今回の位置づけ、前回を踏まえて今回の主なテーマであるとか知事の期待を伺います。

<知事>
 前回、とりあえずやってみた訳ですね。事業仕分けの事業仕分けもやりました。いわゆるコストベネフィットに合わないような事業もあります。すべての事業についてやると言いましたが、それも不十分でございました。そうした中で、我々は棚卸というものをやっておりますので、それと合わせた形で、前回初めて、県庁の中でも事業仕分けという言葉すら、幹部の中ですら御存知ない方がいらっしゃった訳です。そうした中での初めての試みでした。しかし、さすがに国も、それをやって、言わば我々の中に馴染みのものになってきたと思います。そうした中で、今回こそ、ある意味で、本気だということで、そして、全部の事業にわたるようにしてほしいと言いましたところ、大きく括って100項目ということになった次第です。
これから募集をかけますので、ぜひ、前の事業仕分けに関わった方で経験を積んだ方も、そうでない方も、すべての方にオープンでございますので、関わっていただきたいと思います。そこで、全体の地域的なバランスであるとか、経験であるとかといったようなものを、しかるべき委員会で選り分けていただいて、事業仕分け人として、県内からバランスの取れた形で参加していただこうという試みでございます。その結果は、来年度の予算に反映していきたいと思っています。

<記者>
 前回、いくら削減するということはもちろんなのですが、県民の参加意識を高めること、県民に事業について知ってもらうことも大きな目的であるということをおっしゃっていたと思いますが、今回に関しては、目標設定というか無駄を削減するということに関しては、どういう決意ですか。

<知事>
 同じです。無駄を削減するためにする訳ですね。そして、しかし、その仕事がルーティン化している、あるいは前からやってきたということで慣れているために、そもそも何のためにやっているのかということについて考える機会がない場合がありますね。したがって、今回も、ある意味で「私は行政の素人だ。しかし関心がある」というふうな方が、その気持ちをぶつけられればいいと思います。県の方で、短い時間の間に要領よく資料を御提示して御説明申し上げて、そしてその方の意識あるいは事実認識が深まれば、それはそのことだけに留まらず、必ず波及効果があると思いますので、無駄遣いを排する、本来の事業の目的というものを改めて一から考え直す、それから参加してくださる仕分け人、それを見てくださるオブザーバーの方々、出入り自由ですから、その意味で、県の仕事を皆様の税金でやっておりますので、できる限り身近なものにするために、つまり透明性を高めるためにやるということでございまして、徹底的に隠し事はしないと。きちっと説明ができると。そういうことが大きな目的といえば目的でございます。

<記者>
 削減効果としては、前回以上でしょうか。

<知事>
 まだ分かりませんね。金額が先にある訳ではありません。検討の中で、金額についても出てくると。昨年はかなり大きな額が出てきました。それが波及効果で、180億円というすごい額の削減になった訳でございますが、私も身近で、知事公室や知事戦略室がある訳ですが、知事公室だけで、知事公室長、秘書課長、主幹、それからさらにその下の方で、5、6人が働いていらっしゃいますが、3人くらいでいいのではないかと。知事公室も事業仕分けにしようかなと。
あるいは、東京事務所。今回、陳情しないと言いましたね。陳情の拠点になっていた訳です。国会議員にお目にかかる。あるいは霞ヶ関の役人にお目にかかる。あるいは国会議員の秘書お目にかかる。それを現在はやっていないのですね。やっていないということが分かりましたので、今ではありませんけれど、霞ヶ関の役人との関わりも、官官接待ということが、かつてはあった。それは常態であったから仕方がなかったと思いますが、それは、今は全くありませんから。本当に要らないのですよ。ですから、そうしたものについてもやってみたいと思います。
それから外郭団体がありますね。例えば日中友好協議会があると。ルーティンで人を呼び戻していると。しかし今年は一番大事なときでしょう。ある意味でオリンピック、集大成です。そうしたときに、たまたま何年間か働いたからこうしていると。これは県がお金は出していますが、もちろんそれぞれ独立してなさっておられる訳ですが、そうした県の出先機関とか外郭団体だとかいうことについて、私は昨年の10月から見ているだけでも相当しっかり見直さなければならないものがあると思っていますので、例外なく全部見るということです。

<記者>
静岡型というのは、費用対効果になじまないものは対象外とする規定だと思いますが、もう少し具体的にこの分野に関してはなじまない、今回は事業仕分けの遡上にあげない、というものがあれば教えてください。

<知事>
 それは今、選定をやっているのですね。それはあなた(行政改革課長)の方から。

<行政改革課長>
 後ほど説明します。

<知事>
 かなり説明してくださいね。今、100ほどの事業については上がっていますか。

<行政改革課長>
 今、調整中でございます。

<知事>
 そうなんですよ。原則として音楽、演劇、教育。

<行政改革課長>
 研究と文化。

<知事>
 そうしたものにつきましてはやはり違うであろうと。これは、前回の事業仕分けの後、議会でも議論になって、大体、共通理解を得られた。国の事業仕分けにおきましてもその点、研究者の間からの大きな反発がありまして、我々の方は、それはなかったですよね。そうしたものは向かないと、おそらくそれはすぐに分かったように思います。
 前回の事業仕分けをやって、すぐにですね、事業仕分けの実質事業仕分けができていたように思いますので。静岡方式の一つの特色です。もう一つの特色が、業務棚卸というのは、これはいわゆるパブリックマネジメントといいましょうか、この方式を石川前知事以来、ずっとやってこられている訳です。これはなかなかのものです。しかしながら、自分たちが自分たちのものをやるので、どうしても外の目が入らないという限界もある。だから組み合わせようと。これを静岡方式といえるものでございます。ありがとうございました。




沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議の設置

【沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議の設置】


<記者>
沼津の鉄道高架の件でお伺いしたいのですが、この有識者会議というのが、事業自体を検証するようなものなのか、何を検証するのかもう少し具体的に教えていただきたいということと、有識者会議の結果自体で事業自体を大幅に見直すだとか、中止する可能性もあるとか、その二点を教えてください。

<知事>
 ともかく、トップクラスの、こういう、まちづくり、都市計画、鉄道、交通体系に関わるトップクラスの方々を今メンバーとして考えておりまして、そういう方の意見をどっちにしても、もともと平成24年度に事業再評価を実施する予定ではあったのです。ところが国の新しい方針が出ましたので、23年度に前倒しで実施すると、どっちにしても実施すべき、事業再評価ということでございましたが、当初と比べまして大きく事情も変わっております。
JR貨物の重要性につきましても、それなりの認識も持っております。ですから沼津の発展とJR貨物の発展、この両立を可能とする方向性を我々は今、模索しているわけでございます。
この計画が策定された時には、例えばリニア新幹線一つとりましても、まだ、視野に入っていなかったと思いますが、しかしこれが15年ほどのうちには、それができるとなればダイヤの改正というものが大変重要な課題になってまいります。ダイヤの改正が行われるということはJR貨物にとっても極めて大きなことでございます。なぜかと言うと、JR貨物はただ荷物を運ぶということではなくて、26両編成の大きな貨物列車が、長い貨物列車がどこかで退避をして、客車の通過待ちをするという、そういう退避線の重要性も指摘されているところでして、こうしたものが、ダイヤに密接に深く関わっていると、そうしたものを念頭に置いて、沼津の発展とJR貨物の両立を考えてくださるようにと、ということで一つのこちらから、考えて使っていく課題の一つとして出すものになると思っております。ですから計画自体は推進するということです。




前原国土交通大臣の県内視察(御前崎港関係)

【前原国土交通大臣の県内視察(御前崎港関係)】


<記者>
 先程、御前崎港の関係で不退転の決意で臨まれるということですが、できなかった場合はどういう責任の取り方を考えていますでしょうか。

<知事>
 これはもう不退転ということは退路を断つということです。

<記者>
 それは職を賭してということですか。

<知事>
 それくらいの決意ですね。これはもうこれまでの経緯を御覧になると、もし、ガントリークレーンが修繕されないままに終わったと、あるいは修繕しても使わないままで今の時点を迎えたとすれば、重要港湾どころか、重点港湾には到底認定されない、ということでしたね。しかしながら、修繕した。その修繕を無駄にしないように航路が再開されてコンテナ船が入ってきた。そこで荷揚げの、あるいは荷降ろしの現場を、私は森山部長と一緒に見ました。そして、それに関わる方たちのところにもまいりまして、(御前崎港を)支えると(話をしました)。
そして、しかし今、荷役の問題というのは、管理する者、使用する者、利用する者、みんなばらばらですね。それがある意味での安全性という問題に対しても不安要因になっています。そうしたことから、明確に一体的な運用、私もそのとおりだと思っています。今しなくていつするんだということで。しかも駿河湾港として育てるということを申し上げております。もしも大きな事故が清水港であった場合、これはどうするんだということもありますので、ここは一体としてやるんだというその強い決意を大臣にもお伝え申し上げましたし、そのことを今、不退転の決意としてここで申し上げていると。後には退かないと。
伸びしろについては安心していますけれども、これも私が伸びしろを伸ばすわけではありませんので。道路ができました、その道路を1号線まで、さらに新東名まで伸ばすという計画を持っています。そのことを、大臣に申し上げました。ここはその途中に東名と1号線の間に、空港もございますね。ですから、港、空港、そして高速道路。こうしたものが一体的にモーダルシフトとして運用できるところなんです。
ですから、ここは、今までどおり名古屋港に持っていく、あるには東京に持っていくというような形で時間のロス、コストのロス、まあコストがよりかかる、環境を無駄にしている、悪いということを統計数字が示している。ここは、本県の物流をしっかり育てていくと。これは、今は御前崎港というところが焦点になっています。大体の輸出入の四割前後が県外港を利用しているんです。これは非常に無駄なことなので、それを御前崎港にどれくらい(持ってこられるか)。県の方の関連の企業、あるいは、地元の首長を含めたそうした方々の一体的な協力があるかにかかっている。私は、これは座して待ってですね、「ああ、重点港湾にならなかった残念でしたね、一応、説明はしましたけれども」というようなそういう態度はとらないと。これは、おとといお越しになったときから、その場に居合わせた方々を含めて、私はこれを絶対に重点港湾にしなければならないというふうに、もう強い決意をしているということが、今申し上げた不退転の決意ということであります。

<記者>
確認ですが、職を賭してやられるという理解でよろしいでしょうか。

<知事>
不退転は不退転です。




富士山静岡空港の需要予測

【富士山静岡空港の需要予測】


<記者>
空港の需要予測に関しまして、空港会社のトップについて論外だという発言がありましたが、具体的にはだれのどの発言を論外だと?

<知事>
ある新聞で6月4日に空港1周年を記念した大きなインタビュー記事が出ておりました。その中で、138万人の需要予測がここに来るまで、今のところは無駄なお金を出さないで、という御発言をされている方がおられましたが、それが論外だということです。
実際、138万人という数字だけが一人歩きして、あれは需要予測ではなく、需要期待予測、需要希望予測ですね。そうあってほしい、138万人まで来れば一応空港としてはペイするだろうと。ちょっと中身を見れば現実とえらく違うので、私は実績を踏まえて需要予測をやるべきだと考えております。
需要予測はこれからきっちりします。これからの航空各社の動き、台湾などは定期便を(就航)してくれると言ってきておりますし、FDAはもう1機この秋に増やす、さらに1機増やすという状況が目に見えています。そういったものを踏まえれば、はるかに需要予測ができます。
まだこの時点において、空港ができる数年前に出された需要予測に則って、それに比べて40数パーセントと。これをもって批判するような番組を組むような放送会社があったり、それをもとにしてまだ現場にいる方が話をしているというのは。
空港自体はなるほど必要最小限で作られました。どうなるかわからなかったから。ものづくりの哲学としては、よろしいのです。しかし、これからはサービスの哲学に変えなければならない。そのためには、現場に入らなければならない、現場に入って説明できなければならない。
現場に入って説明するという一番大事なときに、その方が後ろから金魚の糞のようについているというのは何事かと、私は慨嘆しているところがございます。こちらの言いたいことは御本人にも言ってあります。
空港はこれから伸びていく。しかし、需要予測に関しましては、2日前の前原大臣の御発言で、需要予測がでたらめであると。また、需要予測をした東工大の先生が、「決定するのは県であり需要予測それ自体を盾にとって私が責められるのは非合理だ」と述べられております。
ですから、そういったものを卒業して、私どもはモデルといわれた地方空港の今後の需要予測に関しましては、この1年間の実績をもとにして予測をたててまいるということです。

<記者>
その、論外だといわれた空港会社のトップは県の天下りだと思いますが、交代を求められたり、そういうお話はされていますか。

<知事>
何度もしています。しかし、それは私の権限外ですので、インフォーマルでしか申し上げておりません。

<記者>
需要予測に関連しまして、空港で6月4日にこれまで県が需要予測がなぜこういう結果になったのか、県としても検証してまいりたいとおっしゃいました。
その点を詳しく教えてください。どのようにして、検証がされるのですか。

<知事>
大体、本当のところは見えてきていると思います。需要予測は本県だけでなく、日本の100近い地方空港に関しましても、皆、需要予測を基に建設されてきました。それが過大評価であるということで、需要予測についての検証が今始まっていますね。
ですから、その流れの一環として本県も、需要予測はどういう根拠においてなされているのか、どういう幅があるのか、実態としてそれはあり得るという需要予測なのか、建設することを正当化するためになされているような予測なのか、というようなことが問題になるほど需要予測に関しまして批判があります。こうしたものを、本県としてすべからく検証いたしまして、本県のこれまでの需要予測に基づいた議論から卒業してまいりたい。この議論を終わらせるために、新しい需要予測、すなわち現実の実績に基づいた需要予測をしていくために、検証してまいるという目的です。

<記者>
検証結果、検証を終えるリミットと、新しい需要予測を今後出されて、今後の空港運営に活用されるということだと思いますが、いつごろから着手するのですか。

<知事>
実質やっています。おおまかには、去年の暮れないし今年の初めくらいから60万人くらいというふうに見ていましたが、それを越しましたけど、これは、上海と富士山静岡空港を結んでいる東方航空は数字を発表していませんので、実際は今発表されている数字より大きな数字になると思いますが、ともあれ次年度は70万ということは言えると。おおまかなところで10万くらいずつ増えるであろうと。もちろん、従来の需要予測も机上の空論とはいえ、それなりに1日福岡便が5便飛べばとか、あるいは上海便がこれだけ飛べばとか、というようなことでやれば席数と便数をかければ需要予測が出てくる訳ですが、そうした中で138万という数字が出てきた訳ですが、これはある意味ポテンシャルとしてはどこかで参考数字になるかもしれない。
現在は平成15年の需要予測は国内線に関してはひとつも当たっていません。1日札幌便は5便飛ぶというところが2便しか飛んでいません。福岡便も違います。沖縄便も違います。また、外国についても違っています。めちゃくちゃ外れている訳ですが、しかし一方で、ソウル便について週3便としていたものが、週14便ある訳です。そして、那覇や札幌については現実と比べて過大に数字がだされている訳です。そこは高い搭乗率を持っていますので、そういう意味でのポテンシャルはあると思います。完全に無視するということではなくて、何を根拠に言っていたのかというようなことはあるかと思います。しかしそれは私たちにとってはもはやその程度の参照項目でしかなくて、むしろこれから需要予測する場合には、これまでの実績、現状の流れ、現実に基づいて需要予測をしていくということです。立つべき数字の根拠を変えたいというふうに思っています。
ですから需要予測をして、大外れになった人を責めるためではありません。それだけははっきりさせておきたいですが、正確な需要予測をするために、旧来の需要予測のでたらめを明らかにするということです。現実に即した需要予測にシフトするために、従来のものから卒業するために、この検証をするということです。いつくらいまでというのは、いつぐらいまでにできますかね、できるだけ早く、官僚的答弁で申し訳ありませんが、いまやっておりますので。

<記者>
今年度中とかざくっとした予定は。

<知事>
もちろん年度中でしょう。当然。

<記者>
新しい需要予測を出されるのも今年度中、検証結果を出されるのも今年度中ということでよろしいでしょうか。

<知事>
検証結果は今年度中ですね。新しい予測はだいたい70万と言っているでしょう。私は。

<記者>
70万でいいんですか。

<知事>
ううん。これはそこまでいくのに、席数と便数をおおまかに計算するとそれくらいになりますよ。これは、私も手に入る数字を見ながら言っているだけです。

<記者>
 例えば138万という需要予測でも、1年ごとに増えていくのが、1万とか2万とか、その程度ではなかったのではないでしょうか。当時の予測で。

<知事>
 138万というその最終数字のベースになっているのをやっぱり見る必要があると思うんですよ。僕がいま覚えているのは、(資料を差し出して)これね。ソウル便1週3便が、実際は14便、札幌便は1日5便って言っているのが、一日2便でしょう。それから福岡便1日4便なのに、一日3便でしょう。これどれ一つとして当たっていないでしょう。全部外れている。ここのところが問題。
 最終数字というよりも、このブレイクダウンしたときの一つ一つの予測が全部外れている。いかに荒唐無稽、机上の空論であるかということはこれを見れば分かりますね。これを作った御本人もこんなものを一つ出したと、しかし、大きな幅のある中で出していると。それを決めるのは県ですよと。自分に責任を押し付けてくれるな、というところまでインタビューに答えて言っていらっしゃるのでですね、私はもうその方を責めない。こちらが頼んで、それなりにこう計算された。それが138万となれば大変な数字ですから、それは建設の動機にはなるので、だから、うがった人は、これは建設するために作ったんじゃないかと言いますよね。

<記者>
 先程私が申し上げたのは、過大な需要予測ですら、国内線106万人。それが2年目には107万人とか、その程度しか上積みがなかったと思うんですけれども。伸び率がですね。でも、知事の場合は、8万人くらい、2年目は増えるとおっしゃっていますけれども、それでいいんでしょうか、という確認です。

<知事>
 1年目は60万、2年目は70万。だって、飛行機が2台増えますよ。また松本便が増えたでしょ。別に松本と静岡が結ばれるのではなくて、松本-静岡経由-沖縄とか、松本-静岡経由-熊本とか、その逆とかですね、そういう形で当然考えられているんだと思います。いま静岡からどこそこへ行っているのを松本から飛ばすというふうなことで、実際はお客様が増えますので、そうしたのをおおまかに概算すると、私は今年60万なら、来年70万というふうに言えるだろうと言っているところでございますが、しかし、これはきちっと計算した訳ではありません。しかし、もう議会でも答弁しておりますし、年間だいたい10万ずつぐらいと。それから、もちろん需要予測というのは、どれぐらいになるかというのは、これはだいたい3年から5年を見ないといけないというふうにも専門家が言っておられますのでね、そういった柔軟性を持ちながら、本県の空港にかかわる専門家たちによって、また外の人たちの意見を聞きながら、需要予測は出していくというところですね。




菅新内閣への期待、民主党の参院選静岡選挙区候補者の擁立、サッカーワールドカップ日本代表の初戦に向けて

<記者>

 それでは、幹事社質問に移らせていただきます。手短で結構ですので、3点お答えください。
1点目は、まず、あらためて菅新内閣への期待をお聞かせください。
2点目は、参議院選に関してですが、民主党の静岡選挙区での候補者擁立が2人、1人と非常にもめております。そのことについて、知事の所感をお聞かせください。
3点目が、今日はサッカーのワールドカップ日本代表の初戦ですので、日本代表にエールを送ってください。お願いします。

【菅新内閣への期待】

<知事>
まずですね、菅内閣への期待ですけれども、鳩山由紀夫前首相は、辞任会見において、彼の思いのたけを語りきったというふうに思います。私は、あの辞任会見は、彼のエッセンスが、いい方のエッセンスが全部出たかなというふうに思っている訳ですが、これを受けた形で、菅さんは副総理として、それを補佐しながら、新しく菅内閣を発足されたということでですね、菅さん御自身はたたき上げの政治家ですので、市民運動から始めてこられた。したがって、政治と金、それからまた普天間問題、この2つによって、鳩山由紀夫氏は辞職された訳ですけれども、普天間問題でぶれないように、それから政治と金において、政治家が金にまみれるということのないようにしていただきたいと、この二つに尽きますね。


【民主党の参院選静岡選挙区候補者の擁立】

 それから、民主党の候補者擁立に関しましてですが、これは、今回に始まったことではないでしょう。私が(知事選に)出たときは去年の今頃ですよ。今日は6月14日ですが、14日ではまだ、小沢さんから「出るな出るな」の圧力がかかっておりまして、海野さんと票を分けることになって、自分達の敵対勢力を利することになるから、ともかく「出るな」という電話がかかってきたりして、なかなか大変だった訳です。
その時に、小沢さんの意向にも関わらず、県連の方は、擁立にいろんな形で失敗されて、そして誰もいなくなったところで私が出てきた訳でしょう。それでもう「ここしかいない」ということで、「川勝に懸ける」ということで、一丸になっていた訳です。この齟齬というのが出馬表明をしたときから、ずっと続いていた訳です。どの辺りでしょうか、二つが一つになったというか、よく分からないのですがね、私の方にも「公認はしない」ということできていた訳ですから。それは民主党の方々が身銭を切って応援されていたということを後で知りました。そうした中で、今もまた、そういう二つの流れの中で候補者が苦しまれているという状況ですね。非常に気の毒に思っているのですよ。
ただ、党は党の方針としてお持ちになるというのは当然のことです。しかし一方、現実を知っているのは県連ですから、どちらを適切にするかということについて、大人の解決策というものをしなくてはならない。大人の解決策というのは、共倒れにならないということでしょう。選挙の最大の目的は、勝つということですから。これは、党内で県連と党本部との間で立場が変わられていても、目的は一つですからね。そういうことで今回、それなりの和解という方向に向かったのは喜んでおりますが、これは、従来の体質がそのまま現れていると思っております。私の方も、もちろん県連の方に深い共感を、一貫して持っています。


【サッカーワールドカップ日本代表の初戦に向けて】

 それから、ワールドカップですね。本県から6人の代表選手が出ておりまして、「223(ふじさん)HEITA(へいた)」と書いた、すべての6人のサイン入りのユニフォームが贈られてきましてね、知事室の入り口に、誰にも見えるところに飾ってありますから、県377万6千人が、このユニフォームを着て、応援していると、皆様方のハートをハートとして応援しているということでございます。そして、私もビデオメッセージを贈りました。そしてまた、ビデオのメッセージもくださいました。ですから、心の絆みたいなものができています。
他のチーム、例えばイングランドがシュートしましたね。そのときに私たちは関係なくても喜びますよね。一方、アメリカのシュートを後ろに逸らしたとき、あの悔しさも分かりますよね。他のチームでもそうなのですから、ましてや自国のチームとなると、感動も相当なものがありますので、そういう素晴らしい感動を日頃の練習の成果をフルに発揮していただいて、晴れ舞台、檜舞台でがんばっていただきたいと。今夜、カメルーン戦で、そのような最高のプレーを期待しております。がんばってください。




草薙総合運動場体育館の整備

【草薙総合運動場体育館の整備】


<記者>
草薙体育館の移転問題についてお伺いします。金曜日に例の発表(6月11日(金)の森山交通基盤部長と大須賀企画広報部長の記者会見)をされて、草薙(体育館)は静岡学園跡地にと決定されましたけれども、これに至った最終的な理由を知事からもう一度おっしゃっていただきたいということと、また、東静岡、市のほうが望んでいるアリーナについては、今後どのようにされるのかということ。
それから、静岡市長は、地元が同意しない限りは、草薙の体育館の移転についても許可は難しいんじゃないかというような発言もありました。今後の進め方ですね、どういうふうに考えていらっしゃるのか。お願いします。

<知事>
 そうですね。三つともみな関係していますけれども、本県でこの案件に関わっているのが、森山交通基盤部長さんとそれから大須賀企画広報部長さんですね。この二人がそれぞれ記者懇(懇談会)をなさって、また、(6月11日(金)に)お二人で(そろって)記者会見なさいまして、そこに尽くされています。ですから本県の立場はそこで語られたことに尽くされておりまして、私はそれはもっともだと思っております。
ただ、私がもし反省するところがあるとすればですね、市長さんが神経を逆撫でされたように思われた向きがありますね。それはやはり、市長さんと私との関係が悪くなるのは、百害あって一利ありません。ですから、市民が迷惑する、あるいは地元の住民の方が迷惑されるということなので、こうした結果になったことに対しては深く反省しています。
ですから、金曜日に県は、森山交通基盤部長あるいは大須賀企画広報部長が言われた経緯にしたがって、草薙の総合運動場の中に体育館を建てるということで、そういう発表をされると。それで、私は、そういう発表をするということを電話で言っておいてくれと、前日の午後に言われたんですが、電話で言って、「市長さんは何時に電話すればいらっしゃるの」と聞きましたら、午前9時から9時15分にいらっしゃると。そのときに電話をして、今日記者発表をするから、その旨を一応伝えておいてくれと言われたから、9時から9時15分にいらっしゃるならば、考えましてね、その夜。行くことに決めた訳です。
突然行ったんです、朝。電話だとおそらく1分、2分のことだったと思いますけれども、9時15分に来られて、「いくら居ていただいても結構だ」ということになりまして、それで、私自身は別にけんかをするつもりはさらさらないと。どちらが、県民のため、あるいは市民のため、住民のためになるかということだけが僕の基準であると。意思疎通を欠くということはお互いに、これは他の方々に迷惑が掛かるのでやめよう。私もなんなりと話をして欲しいと。
アリーナを造りたいとおっしゃる。しかし、その造りたいというのは、こちらで造れということではないでしょうと。なぜかというと、それは筋が違いますから。市有地なんですからね。今のガンダムであるとか、ホビーキャピタルのためにいっぱいやっておられますけど、こちらに相談があるわけではありません。市が、市の主体性において、やっていい仕事です。それをアリーナに関してはこちらに造れというのは筋が通らないでしょう。「わかりました」と。筋の通らないことは言わないでくださいということで、私の方も、東静岡全体の賑わいのためには、一緒に協議してやってまいりたいということに変わりはないということを申し上げましてね。
そういうことで、これからも県のトップ、市のトップが、お互い言ってくるのを待つというのではなくて、機会があれば、懸案事項がもし出てきたとすれば、常にそういうことについて、お話をいたしまして、その都度その都度、傷が大きくならないようにしてまいるということと同時に、草薙の総合運動場に関しましては、体育館をあそこに造るということに決定いたしましたので、これについては地元の方々にきっちり御説明すると。もうすでに2回行ってます。しかしそれは、全体のこの地域の代表の方にとりあえずお目にかかったというところから始めた訳で、これとあらば、地域の住民の皆様方に丁寧にきめ細かく御説明申し上げて、そしてそうした中で、設計図が書かれる。それを今度は市が御覧になって、「これはどうだ、ああだ」ということを言われるのが筋で、先に結論があるわけではありませんね。そういうことでですね、一つ一つ何をしていくかということにつきまして、県民の皆様方にお知らせすると同時に、市との関係で意思疎通を欠くことにないようにしてまいると。で、全体として東静岡のグランドデザインについては一緒に協議をしていって、お互い相手が何を考え、何を望んでいる、どういう決定をしているかということについて、同時並行的に認識しているというような関係をつくってまいりたいと思っています。

<記者>
 今の件で、小嶋市長が、金曜日(6月11日)にわれわれが行ったときにですね、許可できるかどうかについては、今後地元にどのように説明するかなどを含めて、今後の状況をみて判断をしたいというふうなことをおっしゃっていました。
今の知事の御説明からするとそのとおりであるということで了解してよろしいでしょうか。

<知事>
 そうですね。これは、設計図ができ、そしてどのぐらいの人数が入り、どのぐらいの高さになり、建物の高さですね、そうしたものができて初めて、これが市の権限として、許可できる、許可できないということについて言われるべきもので、今から、こうこういう理由によってできないといわれる筋のものではないという。だから、矛をおさめていただいたのでですね、私は非常にありがたいと。わかっていただいたなと。だからどこかで、やはりこちらが、昨年の暮れから、あたりで、草薙の問題についていろいろ調べていましたので、その中身について、そんなに関心を持ってらっしゃるということについて、十分に僕のほうの自覚が足らなかったなとも思いますので、説明しておくべきだったかなということでですね、私は、市民にいたずらに不安を投げかけてしまったということついて反省しております。