河津川の上流部は渓谷や滝を形成し、山地を流れる渓流的な様相を見せるなど、風光明媚な箇所が多く存在しています。一方、上流4km付近に位置する峰橋を境とした下流域は、沖積低地が形成され、その中央を河津川が貫流し、相模湾に注いでいます。
近年は、全国各地で局地的豪雨や台風等の異常気象により甚大な被害が発生しており、静岡県においても、平成22年9月の台風により記録的な大雨が観測され、小山町で甚大な被害が発生しています。
河津川の流域においても、前線や台風が集中しやすい地域であり、かつ、降雨を早期に河川へと流出させ、短時間のうちに増水させる急峻な地形であることも相まって、戦後、幾度もの風水害に見舞われています。また、河津町の市街地の大部分は、沖積低地内に形成され、市街化された区域の70%程度がこれにあたり、洪水により甚大な被害の恐れがあるため、水害に対し安全で安心して暮らせる川づくりが望まれています。
一方、川沿いの河津桜並木は、河津町の観光シンボルとして全国的に有名であり、地域住民の憩いの場として親しまれているとともに、鮎釣りのメッカとしても有名であり、河川の利用が盛んであります。
このような背景から、静岡県では、治水・利水・環境が調和する具体的な計画を定める「河津川水系河川整備計画」を策定することとしました。
計画策定にあたっては、住民の代表者や様々な分野の専門家からなる「河津川水系流域委員会」を設立し、流域内の治水施設の整備、流域内の自然環境の復元、保全等について幅広いご意見を頂きながら検討を行い、河川整備計画に反映させていくものとします。 |