三水系は、いずれも急峻な山地から流出した河川が急勾配で海に注ぐ伊豆特有の水系です。流域内の人口は少ないものの治水上危険な河口部に集落が密集し、洪水や津波等により甚大な被害の恐れがあるため、水害に対し安全で安心して暮らせる川づくりが強く望まれています。
一方、三水系の流域の大半は、富士箱根伊豆国立公園内に位置し、下流部は名勝伊豆西南海岸区域にも指定され、自然豊かな環境に恵まれています。しかしながら、現在の河川は、護岸、底張などが施され、植物や生物の生息、生育環境は乏しく、また集落の中を流下しているにもかかわらず川と人とのかかわりは少ない状況にあります。
このような背景から、静岡県では、治水と環境が調和するとともに、地域にとってふれあいの場となる川づくりの具体的な計画を定める「殿田川水系河川整備計画・五十鈴川水系河川整備計画・中木川水系河川整備計画」を策定することとしました。
計画策定にあたっては、住民の代表者や様々な分野の専門家からなる「殿田川水系・五十鈴川水系・中木川水系流域委員会」を設立し、流域内の治水施設の整備、流域内の自然環境の復元、保全等について幅広いご意見を頂きながら検討を行い、河川整備計画に反映させていくものとします。 |