令和6年度 記者提供資料


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( 資料提供 )

富士山コスプレ世界大会の負担金に係る支出に関する住民監査請求の監査結果

(要旨)

    令和6年11月14日に受け付けた「富士山コスプレ世界大会の負担金に係る支出」に関する住民監査請求について、監査を実施した結果、却下することを決定し、1月10日に請求人に通知した。

(概要)
1 件名  
富士山コスプレ世界大会の負担金に係る支出に関する住民監査請求

2 請求人 
住所 静岡県
氏名 A

3 監査対象機関
静岡県スポーツ・文化観光部文化局文化政策課

4 請求の要旨
    令和6年1月9日起案、令和6年1月11日決裁、令和6年1月12日付で静岡県が行った、令和5年度東アジア文化都市2023静岡県専門協働プログラム(富士山コスプレ世界大会)負担金3,000,250円の支出について静岡県宛て公文書公開請求を行いました。開示された文書からは、支出の根拠が不明であり、不当な請求又は支出が行われた可能性があります。
    負担金請求者は、静岡県宛不正な申請資料を提出し、静岡県は支出する必要がない負担金を支出し県の財政に損失を与えた可能性があるため、負担金支出に係る手続及び根拠資料について、内訳等の調査及び調査結果の開示を要請します。また、負担金の支出に関し、根拠資料の不備又は手続の妥当性が無い場合は、事業者等に対して負担金の返還を求めるよう要請します。

5 監査結果
    地方自治法第242条に定める住民監査請求として不適法であり、本件措置請求は却下する。
監査結果のポイント
1「地方自治法第242条に定める住民監査請求として不適法である」とした主な判断根拠
    (1) 東アジア文化都市2023静岡県実行委員会について
    本件措置請求において、請求人は、令和6年1月12日付けで静岡県が行った令和5年度東アジア文化都市2023静岡県専門協働プログラム(富士山コスプレ世界大会)負担金2,999,700円の支出が違法又は不当な財務会計行為であると主張し、負担金の返還を求めているものと解される。
    請求人は、上記負担金は静岡県が支出したものであると主張しているが、静岡県が支出したのは、東アジア文化都市2023静岡県実行委員会(以下「東アジア実行委員会」という。)に対する負担金339,116,000円であり、請求人が違法又は不当と主張する負担金2,999,700円を富士山コスプレ世界大会実行委員会に対して支出したのは東アジア実行委員会である。
    東アジア実行委員会のように普通地方公共団体等の負担金や補助金等の収入を経費に充てている実行委員会の支出に関する事案における東京地裁平成9年8月6日判決は、実行委員会は、地方公共団体とは別個独立の権利能力なき社団として一連の行為を行っていたものであり、実行委員会の担当者がした支出行為は、地方自治法242条が規定する住民監査請求の対象となる普通地方公共団体の長又は職員等がした「公金の支出」には該当しないと判示している。また、最高裁昭和39年10月15日第一小法廷判決(民集第18巻8号1671頁)は、ある団体が権利能力なき社団に当たるというためには、当該団体が団体としての組織を備え、そこには多数決の原則が行なわれ、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、その組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定しているものでなければならないと判示している。
    東アジア実行委員会の組織については、東アジア文化都市2023静岡県実行委員会会則(以下「会則」という。)第4条の規定に基づき、会長、委員長、委員長が委嘱するその他の実行委員及び監事をもって組織することとされており、委員は県内外の学術、文化、報道、経済等の各団体の長等により構成されている。また、会則第5条第1項の規定に基づき、会長は静岡県知事、委員長は静岡県副知事をもって充てるとされ、会長は静岡県知事、委員長は静岡県副知事が充てられている。そして、会則第17条の規定に基づき、事務局が静岡県スポーツ・文化観光部文化局文化政策課に置かれている。役員及び委員の任期は、会則第8条において、実行委員会の解散の日までとされているが特別な理由がある時はこの限りでないと規定されている。役員及び委員の変更については、会則に明記はされていないものの、実際に委員の退任や監事の交代が行われていた。
    実行委員会の会議は会則の改廃、事業計画及び事業報告、予算及び決算に関すること等を議決することとされ、議決は多数決によること等、会議の運営等についても会則において規定されている。
    東アジア実行委員会の会計事務及び財産事務の取扱いについては、「東アジア文化都市2023静岡県実行委員会事務局規程細則」や「東アジア文化都市2023静岡県実行委員会会計事務及び財産事務の取扱いについて」に基づき処理されており、東アジア実行委員会の預金口座で金銭が管理され、現金の出納は当該口座を通して取り扱われている。
    これらの点を総合的に勘案すれば、東アジア実行委員会は、団体としての組織を備え、そこには多数決の原則が行われ、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、その組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理等の団体としての主要な点が確定しているといえる。従って、当該実行委員会は権利能力なき社団に当たるものと認められる。
    (2) 静岡県の財務会計行為に当たらない
       (1)に記載したとおり、本件措置請求は、地方公共団体とは別個独立の権利能力なき社団が行った行為を対象とするものであり、地方自治法第242条第1項が住民監査請求の対象として規定する県の財務会計行為を対象とするものとは認められない。

2 結論
  以上のことから、地方自治法第242条に定める住民監査請求として不適法である。

■ 添付資料

富士山コスプレ世界大会の負担金に係る支出に関する住民監査請求の監査結果:富士山コスプレ世界大会の負担金に係る支出に関する住民監査請求の監査結果( 127KB )


提供日:2025年1月14日
担 当:監査委員事務局 監査課
連絡先:監査班 TEL 054-221-2927

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