令和3年度以前知事記者会見

2011年6月14日(火)


発表項目 1.食育フェア 2.県民参加型事業仕分け 3.茶の検査結果
茶の検査結果について(2)
茶の検査結果について(3)
茶の検査結果について(4)
茶の検査結果について(5)

発表項目 1.食育フェア 2.県民参加型事業仕分け 3.茶の検査結果

【食育フェアについて】

    <知事>
    ふじのくに食育フェア2011ですけれども、6月18日19日の2日間に渡りまして、三島市の日本大学三島校舎、三島市立北小学校、ここは食育に大変熱心なところです。それから東レ総合研修センターで、第6回食育推進全国大会であるふじのくに食育フェア2011を開催いたします。大会のテーマは食のもてなし、知る、作る、楽しむ、ふじのくに食の都へようこそというものです。2日間にわたりまして様々な講演会、シンポジウム、食育に関係する企業や団体のブースの出展などを実施するものでございます。
     この度は、3月11日の大震災がございましたので、防災と食という視点を付け加えております。プログラムの中に、チャリティーの募金、被災県、風評被害地区の観光や物産のPR、日本赤十字社による献血、本県への被災者の招待。これはサッカー協会のJFAの中学生が来ますけども、その少年たち少女たちです。それから防災と食についてのパネルディスカッションや体験展示ブース、さらに防災用商品の紹介で、備蓄食品を展示、そして試食、販売も行います。それからまた、避難生活時の食事体験、これは本県が被災地の末端に行って、いろいろとそこの人々に接しながら学んだところもございまして、避難生活時の食体験及び健康管理、栄養管理について。さらに本県も間接的に影響を受けているホテル旅館もございますので、ふじのくにゴー!ゴー!キャンペーン、一番安い5000円はそのうち500円を寄付するということでゴー!ゴー!キャンペーン。それから食料自給率を上げる。さらに災害に強い県作りをするために耕作放棄地の再生事業、その中には農地に太陽パネルを設置することも含めています。こうしたプログラムも併せて企画することになりました。何と言っても、食育の啓発と、そして食材の王国としての、本県の日本一の有り様を、食の都作りという、一次産業から三次産業を含めた六次産業として農芸品、海産物だけではなくて、それの味わい方も含めて食文化として、食の都作りというものに力点を置いてそれをPRしていきたいと思っています。開催が今週末でございまして、事前申し込みの必要なプログラムには、定員を満たしてお断りする事例も出ているようですが、大会開催の周知は十分とは言えませんので、報道関係の皆様には引き続き、広報のお願いを伏してお願い申し上げる次第であります。柿田川の水が、あるいは柿田川が天然記念物になりました。これは年間数万本を無料で配っていたんですね。一本99円かかっているんですね。しかしこれが天然記念物になりまして、ブランドになりましたので、これを市販していこうと。市販といいますか、原価はしっかりいただいて、県民の税金が無駄に使われないようにと思っておりますので、今回はこの柿田川の水が無料で、まあこれは数に限りがありますが、いただける最後の機会ではないかと思っております。「富士の根を 幾年くぐる 白雪の 清き水湧く 柿田川かな」。



    【県民参加型事業仕分けについて】

     二つ目の報告は、県民参加型事業仕分けの実施についてでございますが、今年度の事業仕分けはより多くの県民の皆様に参加していただく手法を導入しまして、10月15日土曜日、16日日曜日の2日間で実施いたします。県民の意見や提案を積極的に県事業の見直しに活用するとともに、県民と県との相互理解と信頼感。私はこの信頼感が最も大切だと思っておりますけれども、それプラス、県民の行政参加意識の向上を目的としている訳でございます。特徴としましては、無作為に6千人の方々、20歳以上の6千人の方々に対して、募集案内を送付して、そのうちの希望者について県民参加者としてご参加いただくという方法をとります。そして、評価者として有識者と県職員との議論をお聞きしていただいて、その上で多数決により評価を行うという手法を今回から取ります。もうひとつの特徴は、事業仕分けを広く公開するために、新しくインターネットを利用したライブ中継や、意見募集をも開始します。これらによって、県民の評価者のみならず、傍聴される方、インターネット視聴者など、多くの県民が参加する事業仕分けをしたいと思っております。その効果は、もうすでに2回やりましたけれども、たしか48億円の節約になり、そのことがひとつの引き金になって、3百数十億円の節約になっております。これと同じようなことをしますけれども、大きな事業は既に仕分け済みですので、どういうものを選ぶかにつきましても、事業仕分けの選定委員会と併せて議論していただいて決めていくということになると思います。来年度は、事業仕分けから例えば企業局とか教育委員会とか、こうした外部の組織などについても、仕事がどういうものであるかということをよく知っていただいて、その仕事についての存否を皆様方と議論していただくというふうにして発展させていきたいというふうに思っております。静岡型事業仕分けでございます。



    【茶の検査結果について】

     三つ目の報告事項ですけれども、これは基本的に県内の19の地区におきまして、同じ横浜検疫所において製茶の検査を7日、9日にしていただきまして、全部500ベクレルをクリアしたということでございます。したがって安全であるということなので、厚生労働大臣のほうに、その結果を申し上げた上で、ご本人がそれを名を挙げて要請されたので、その数字を見て、声明を出してくださいと言っておりますけれども、その数字を見たということ以上の積極的なコメントは無いのを訝っております。
    昨日夜に、厚生労働省、横浜検疫所のほうから、静岡市葵区藁科地区の10の工場につきまして、検査結果が届きました。全ての地点でヨウ素は検出されませんでした。セシウムにつきまして、お手元にお配りした中で、8工場につきまして全て基準値以下と。基準値と、まあ括弧つき基準値でございます。そしてふたつの地区で614ベクレル、602ベクレルという値が見つかったということでございます。以上です。




茶の検査結果について(2)

<記者>
 まず昨日検査結果が夜出て、もともと昨日の時点で公表する予定だったのが、予定が変わって半日以上遅れて今の時点での発表となった理由をお聞かせください。

<知事>
 特段、大きな理由はありません。夜になりました。もう夕食時間を回っておりまして、皆様方には6時を回れば節電のために帰宅しなさいということになっていたわけです。そして午後に来るだろうと、私は昨日、韓国から午後に戻ってまいりまして、県内のハングバスケットで有名な、上海万博で水をたらさないで、一切補充しないで、あの6ヶ月間ハンギングバスケットをしたという、その技術を見に行くために、加茂菖蒲園の加茂さんにお目にかかって、その間ずっと「検査結果はまだでていませんか」と。「出ていません」ということだったのですね。そしてくたくたになって帰りまして、そしてちょっとできものができて、これは疲れたときに出るので、薬飲んで寝ようということにした後、検査結果が出たということだったので、それではですね、今日これを発表しましょうということにしたんです。記者会見でそれを発表する、と。基本的にこれは一番茶のことで、一番茶についてはこれはもう県独自で生葉と飲用茶については安全をチェックしたわけです。しかし厚労大臣の6月3日における名を挙げての依頼によるということなので、それの大臣への敬意ということで、それに服して(検査を)やったわけですが、ともかくその結果が全部シロだったわけです。まあOKということだったわけです。そして念のためにやるということだったわけですが、しかしこの間分かったことはですね、私どもは公開質問状を厚労省に出していたわけですね、その公開質問状に対する回答が戻ってまいりました。そうしますと、要するに、荒茶につきまして自主回収というようなことも求めていないということなんですね。そして暫定基準値について、原子力安全委員会のほうが今新たに作りなさいと対策本部のほうに、つまり政府に申し上げているということで、全く根拠のないものだということが分かっておりまして、今回、厚生労働省がいかなる根拠に基づいて、検査をするように要請されたのか、甚だ不可解なところがあると思っております。それはともかくとして、昨日10時過ぎに、厚生労働省梅田食品安全部長から、副知事宛に電話が入って、「厚生労働省としてはお茶への安全性、報道との信頼の確保のために、本日速やかに公表すべきとの意見をお伝えします」と。夜10時過ぎです。かかってきたそうです。そうして、「静岡県の発表より先んじて公表することはしませんが、この意見をお伝えしたことは対外的に聞かれればお伝えするので、ご承知いただきたい」と。そういうメッセージが副知事に入りました。で、副知事は、私は明日の記者会見で数値をみな公表するということなので、そのようにして参りますというふうにお答えになったということでございます。私はですね、県庁が閉まっている10時過ぎに、副知事に電話をして、今経緯を知るために、梅田食品部長、実は朝からコンタクトを取ろうとしていたわけですが、ようやく直前になってコンタクトを取れたわけです。そして、「お茶への安全性、報道との信頼確保のために、本日速やかに公表すべきだ」、と(言われた)。そうすると、厚生労働省がお決めになった500ベクレルというものを上回ったところが二つあった。この荒茶は直接口にするものではない。この荒茶は飲用茶にするとどれくらいになるのか。「そういうふうに検査しましたか」、と(聞きました)。「していません」と言う。「どのぐらいになると考えられますか」と言ったら、「分かりません」、と。じゃあ一体、お茶への安全性というものについて、あなたはどのような認識を持っているのか、と。そして今日、回答書が出たのです。荒茶の検査に対する公開質問状に対する回答書ですね。荒茶の一部が飲用以外のように供するために販売されている事実を踏まえ、災害対策本部が暫定基準値を適用すべきと判断したと、こう言っているんです。それで、「荒茶が食用に供せられる場合はどういう場合ですか」と聞いたら、「分からない」と言うんです。「知らない」と言うんです。それでは、荒茶と碾茶の区別がつきますか。碾茶というのは、これはいわゆるお茶の席で使う抹茶ですね。これは荒茶という工程をたどりませんから、ですからこれはもちろん500ベクレルを転用しているんですよ。それと区別がつかない、碾茶を知らないとおっしゃったんですね。それからさらに驚いたことはですね、もう本当に威圧的な、この手続きを守れ、何時に出すかという、午後だと思っていた、それが夜になって、すぐに公表しろと。で、私はホームページに載せられるものだと思っていたわけですよ。そういうふうに聞いていたんです。検査結果は公的なものですから。公的にも依頼しているんですから。それは見れば分かるでしょ。そうしたらそれは静岡県との同時発表を考えていたので、あなたがやらないからこちらがやらないんだと、そういうふうに言われていました。それで何かこちらが隠したかのような印象を持たれているとしたら、とんでもない誤解です。今ここで申し上げたようにですね、なぜ食品安全委員会が関与しなかったのか、と。厚生労働省ですね。それについての答えが、「食品安全委員会は食品安全基本法に基づき、規制や安全などのリスク管理を担当する行政機関とは別に、つまり農林水産省とは別に、科学的知見に基づき客観的かつ中立公正に食品健康影響評価を行う機関と位置づけられています。荒茶の検査の実施はリスク管理そのものであり、食品安全委員会が関与するものではない」。何のための安全委員会かと思うんですね。要するに責任がないと言っているんです。検査をするだけだと。それは検査が安全かどうかということについて、碾茶と荒茶の区別がつきますか、と。「分からない」「知らない」と。「碾茶って何ですか」と聞かれていました。その程度のレベルの人たちが、検査をして安全のために公表しろと。それで、私はどうして安全でないとあなた方が言っている基準値を上回ったものに対して、これが実際には経口摂取するものについてのみ、問題にしたいと。これは6月2日の安全委員会において、経口摂取する際の安全が重要だとする災害対策本部に提出している。経口摂取しないものについては、やらない、と。荒茶は経口摂取するものではないでしょう。じゃあ経口摂取するものは何か。飲用茶だと。じゃあ今回の製茶、614ベクレルのものが飲用茶になるとどのぐらいになるか。こちらが独自に検査しました。向こうがやらないって言ったから。そうすると5.8ベクレルです。100分の1です。それから602については7.3ベクレルです。ほぼ100分の1ですね。100分の1になっているんです。そしてご承知のように飲用茶における規制値は飲料水と同じ200ベクレルですから、全く安全なんですよ。ですから我々が1番茶について行った、生葉と飲用茶における検査、1番茶は安全である、念のために彼らが言われるので、その一番茶の荒茶・製茶について、製茶のほうがより消費者に近いものなので、製茶について(検査を)やってそれは全部シロでしょう。基本的にシロなんです。99.9%。安全なんです。飲用する方に何の問題も無い。ただ私が心配したのはですね、荒茶を生産農家の中で、いわば商品にしないものとして自家消費される場合があるということなので、その方たちが、自家消費される場合にはこれは危ないので、そこに連絡しないといけない。しかし一方でそういう生産農家は自主回収と言うことで、ひょっとしたら製茶を自分たちと同じようにバリバリ食べる人がいるかもしれない、ちょっと考えにくいですけれども、そのために自主回収してくださったわけですね。これは風評被害ですよ。風評被害の最たるものはですね、ここにいる方ですよ。驚くべきことに9日の結果が分かった。その後ですね、全国ニュースでですね、静岡県で暫定基準値を上回るものがでたというニュースを流した、そのソース源はここですよ。9時台の全国ニュースで。何と言う不埒なことでしょう。19地区で全部基準値以下だと言っているのがメインのニュースです。メインの報告の中身ですよ。それを全体の中のほんの一局所部分を、全体であるかのごとくに報道させるその風評被害の厳しさ、そのあつかましさ、これは本当に道義的にとわれるべきことであるというふうに強く思いますね。ですから今回の件につきましては、厚生労働省のほうが夜検査結果を送られた。こちらのほうでは皆様方がいろいろ言われるので、浮き足立っていられるということなので、前も数値だけに踊らされて、安全であるかどうかがポイントであるにも関わらず、きちんとした対応ができなかったので、これは私がやります。私が厚生労働大臣の依頼を受けて、私が決めたことです。しかもこれは、私はやる必要ないと思っていたけれども、茶業関係者の方々が、これをやってもらっても結構だということを全員一致でいわれるものですから、それならばあなた方が自らの潔白を証明するためにやる、ということであればですね、やりましょう。ただし、自主検査で出たところがありましたから、ここについてはその数値をお知らせするということですね。ですから藁科地区で出た、その近辺において若干それに似た数字が出るというのは特段不思議なことではありません。そのことについてうろたえる必要は全く無い。しかもそれが経口摂取、すなわち飲用するときには、本山茶についても2番茶の荒茶で13ベクレルです。今回の荒茶についてもこれを飲用摂取するときには一ケタ台ですね。本山茶についていろいろ言う人がいるけれども、前は4百数十ベクレルだった。同じところで、2番茶の荒茶について、13ベクレル、出ましたね。2番茶については大丈夫だと思っておりますので、基本的にこれは終わった。飲用茶について数ベクレルですので、安心して飲んでください。それはもう茶業関係者の方、先ほどお昼過ぎにいらっしゃいまして、なるほどそういうことだと分かったということでですね、うろたえません、ということでご理解いただきまして、要するに一番茶は安全だと。二番茶はさらに数値は低い。一番茶も安全だけれども、二番茶はもう全く問題が無い。我々はもう9日の段階で、これをクリアしたと、もうステップ2に入っているということですね。それを、今でも敵軍が来襲するかのごとく騒ぎ立てる一部の記者がいてもうあきれ果てています。その見識の無さに。



茶の検査結果について(3)

<記者>
うかがいたいことは沢山あるのですが、整理して一点だけ伺います。昨日の夜の時点で、我々は県民に伝えるべく体制を整えて、県の発表があるということで待っていました。あると伺って待っていました。それが夜の時点でなくなったと。明日になった、予定が変わったわけですね。茶業関係者も県民も、このニュースを関心を持って、つぎの結果はどうなんだということで注目していた中で半日遅れて今日、今の時点になりました。理由を伺った限りでは、先ほどおっしゃった内容で腑に落ちるものがないのですが、やはり昨日の夜の時点で発表したほうが良かったとは思われませんか。

<知事>
検査結果がいつ来るか待っているのが私たちでしたから。要するに待ちぼうけを食らわされていたわけです。これが仮に午前12時近くになったとしたらどうします。それを発表するのは非常識でしょう。ですから私は、非常識というか、もちろんやってもいいですよ、厚生労働省が自分の検査結果をすぐ…、私は申し上げましたから。こういう大事なことは、あなた方が検査したことは、数値として客観的なものなので、公表しなさいと。ただ、何のためにやるのか分かっていますね、と。安全です、と。じゃあその安全の理由を言ってくださいと言ったら、答えられないんです。ご本人がですよ、担当の責任者が。厚生労働省食品安全部長たる方が、碾茶と荒茶の区別すらつかない。だから私は、公表するという手続きそれ自体が、何か一人歩きをして、今日になったから危険が増しましたか?増さないでしょう。もう終わっていることです。だいたい今はもう製茶を手に入れるのが大変ですよ。今我々はあまり現実を踏まえないで、2000の工場がありますから、危ないと思われるところはやりましょうと言ったわけですけれども、そこもですね大中小あるでしょう、今回10の工場を見ますと、そしてあと10工場見てもらっています。今日値が出るんではないでしょうか。私は言いました。出たらすぐ公表なさいと。ホームページ持っているんでしょう。私たちがあなた方に、何かこれを公表するなというふうな規制をかけるべき何の権限もありません。公表したその数字を我々もまた知って、我々のほうでそれを受け止めて、消費者の安全安心のためにどうしたらいいかという対策も踏まえてしっかりと、勤務時間中に、朝早く来て。私も朝4時から起きていましたよ。で、どうも出たらしいということでですね、記者会見のときにしっかり言おうというふうに思っていたわけですが、ただこういうものがFAXできていたものですから、ともかく10時過ぎに電話がありましたと言うんですから。手続きそれ自体が遅い。しかもここはリスク管理はしません。それじゃあ何のための公表なんですか。リスク管理はしないと堂々と明言して、かつ何が危ないかについて説明できない人が、早く公表しろと。何の安全のためですかと聞いたことに答えられない。この矛盾。ですから厚生労働省というものの体質を見せ付けられましたね。あるいは暫定基準値の根拠の無さをよりはっきりさせられたと思っております。ともあれ、今回夜になったということ、そして今日記者会見をするということ、前回の11地区の2回目の検査の公表のときに、あたふたとして一回記者会見が中断するというふうな考えられないようなことが起こってですね、そういう中途半端な報告を、あたかもそれ自体が静岡県の全体の茶の状況であるかのごとくに全国放送までするとか、1面満たして書くとか、これは風評をあおっている本人じゃないですか。何が社会正義ですか。公器であることをわきまえなさい。こういうものは本当に私自身が、あるいは1面トップを見た人が、あるいは前日のNHKを見たかたが。私は午前8時からホテルで朝食会があって、アソシアに行ったんですよ。そのアソシアには全国から女性経営陣が700人ほど集まっておられた。その前日に、お茶は素晴らしいお土産になりますよと言った。そしてその方々とエレベーターで出くわした。「知事、もうショック。もうお茶飲めないわ。もうお土産にできないわ」、と(言われた)。見出しと報道で静岡県の茶は全部やられたというふうに、いわばトップのできる女性たちもですね、風評でばぁっといってしまうわけですよ。だけど基本的に9日に言った内容は何ですか、全19地区で500ベクレルを下回ったということでしょう。それを抜きにしてですね、一部をもって全体としたということの反省をしていただきたい。分かりますか。責任重大ですよ。

<記者>
安全、安全と知事はおっしゃるんですが、600ベクレルを超えたお茶が出て、こういう対応をされていますよね、県として。まあ自主回収、出荷自粛と。これをされないで、この数字は出鱈目だから安全だというのを貫くんでしたら分かるんですが、こういう対応をされていますよね。それをデータとして我々は伝えているというスタンスなので、そのあたりの整合性が無いなと思うのですが。

<知事>
いえ、そうは思いません。これは厚生労働省の根拠無き、しかし大臣のお決めになった御指示です。それに従うと。そして結果が出た、それを公表する。根拠無き数字とはいえ500ベクレルが出ている。で、それを上回っている。したがって自主回収を要請するということになったということで、それは当然それを作られている方にとっては、大変な損害です。それを作られている地域の方にとっても、大変なダメージです。この損害をしっかりと補償していただくために、しっかりやっているんです。風評被害をだした人間が、この結果がこういうものですよと。そしてあなた方が決められた経緯というものが不分別そのものだ。それをはっきりさせて、そしてしっかりと今回のダメージに関して補償をいただく、それが責任の取り方でしょう。そういうことのためにやっています。その部分だけ。お茶が危険だからではありません。その脈絡の中でやっていますから、お茶それ自体は安全なんですから。

<記者>
じゃあこれは県民の安全のための情報ではないと?

<知事>
安全のための情報です。もう609ベクレルといってもですね、飲用茶にしたら5や7ベクレルでしょう。だからもう全く問題ないわけです。200ベクレルの中の、20分の1以下なんですね。あるいは25分の1です。そうしたものをもって、危険ですと言えますか。言えないでしょう。飲用茶として飲む、荒茶が危険だといって、荒茶を飲用茶にするのはどういう可能性ですかってことについて(国が)答えられないんですから。ですから安全なんです。今度、本山茶についても、牧之原にもありましたね、それがそれぞれ荒茶についてゆうに基準値を下回っている。あと17箇所について二番茶の荒茶、検査をいたしますけれども、これで終わりですね。特に荒茶については今でも止めたいくらいです。ただ、今日も茶関係の方々がいらっしゃって、それでもう終わっているけれども、二番茶の荒茶はこれから取るので、現物があるので、それはしましょうと。厚生労働大臣がですね、謝ったら止めます。謝って、安全宣言をちゃんとしてください。そのときまでは、徹底的に攻めますから。私は比較的、職に対しては例えば総理大臣、あるいは大臣という職に対しては頭を下げます。その人物とは別にしまして、その大きな責任に対して。大きな責任を負われている方が、その責任の名においてこうして欲しいといわれたときに、これは謹んで分かりました、と。ただし、根拠を調べていけば駄目だったので、それは間違っているという諫言はいたします。その諫言をしたわけです。荒茶については、もう9日以降ですね、大臣にお電話差し上げたときです、そのとき以降、そしてまたこういう公式の回答書がきて、それが首尾一貫していない。あるいは責任の所在が不分明だと。しかも農水大臣と厚生労働大臣が対立している。こんな中で暫定基準値っていったい何なのか。食品の安全のためです、と。じゃあ食品の安全とはどういうものですか、と。経口摂取するものだと。荒茶は経口摂取しますか?しません。碾茶、つまり抹茶と区別できないんですね。抹茶は碾茶という過程を経ますから。碾茶を荒茶だと間違っている。ですからですね、そういうことすら知らない。その人たちがこういう検査の数値を持って、あたかも、これをちょっとでも上回ったら危険であるかのごとくに風評を流し、それをさらに倍増させて宣伝しているものがこの中にいるということですね。一回失った信用というのは、なかなか取り戻せない。たとえその風評が文字通り風評であるにしてもです。本当に心無き人だと思っております。

<記者>
いろいろとお話を聞いていましたけれど、結論から言いますと検査をやることを決めたのも知事ですし、こういうふうな110あまり、すべて検査をすると決めたのも最終的には知事の判断。それから結果を速やかに公表するというふうにお決めになったのも知事御自身。
今、お話を聞いていると国のせいやメディアのせいにしているところを感じるんですが、御自身の言葉でやると言ったことを速やかにやる、私の感覚では丸一日経ってではとても速やかな公表とは言えないと思いますが、そこのところはどのように感じていらっしゃいますか。

<知事>
 君は反省することはないんですか。

<記者>
まず、質問に答えていただけないでしょうか。

<知事>
 いや、私は本当に質問したいと思う。知事の命と国民の命とどちらが大切か。と言ったそうですね。この件について。

<記者>
そんなことは言ってないですけど。どなたが言ったかは知りませんけれどそんなことは言っていません。

<知事>
 まあ、ともかく、私は寝ていたから知りませんけどね。ともかくこの検査につきまして、やると言ったのは、厚生労働大臣の依願と、茶業関係者の人がやりたいとおっしゃったのでやることになった。そして、やった。結論が出た。ということですね。ただ、自主点検で調べたところに600ベクレルを上回るところがあった、それについてはその地域のところを調べましょうということになった。そして、その決め方について工場、つまり一つの地区が全体の地区と見誤れないためにどうしたらいいか、つまり、一番原因に近いところを特定するというために一番実効可能性があるというのが工場だったというわけですね。工場の数は100あると。しかし、その100ある工場が全部製茶がないところもあると聞いております。しかし、今回全体の85%終わっていまして、全体の扱いの中でもうないところもあると聞いている。実質上、それが100工場やる必要もないし、もうできないわけですね。まあそういうふうなことがあります。現実に即して一番大切なことは、消費者の安全。それから生産者の風評による不必要なダメージを最低限にするということ。これのためにどうするかというのが大事ですから。そのためにやっております。



茶の検査結果について(4)

<記者>
生産農家の方々や関係者の方、消費者の方は、検査をするということになったわけですから検査の結果がどうなのかと、本当に安心なものなのかと、その結果を知りたいと。ということで皆さんおっしゃっていたわけで。安全だというのであれば、自粛の要請は県の権限でできるわけですから、そもそも検査をしないという選択肢もあったと思うんですけれど。

<知事>
そうですよ。ですから今申したとおり、検査する必要なかったんです。なぜしたか。一国の大臣が要請されたからです。しかし、県民がノーと言えばやる必要ないんですから。それでもよかったと存じますけれど、ここまで厚生労働省の方が、言ってみれば、原子力安全委員会と原子力災害対策本部の方からということですね。そこから、500ベクレルの荒茶、基準値を設けたのでそれに、該当するものがあるかどうか調べなさいときたので、分かりましたと。私は、それに対してですね、製茶、そして茶商の方々が正面から受け止められたということに対して、もう終わっているけれども相手の地位に対して敬意を払うためにすると、いうことになったんですね。そして何か遅れたがごとく言われるけども、昨日の今日じゃありませんか。何かそれによってどんなダメージがあるのか。言ってみてくださいよ。この午前中でどんなダメージがあったのか言ってみてください。具体的なダメージを言ってみてください。
君のその上司に対するね、レポートが、特ダネができなかったということについてのダメージはあったかもしれません。だけど、私はもう昨日の段階でこれはもう明日で十分だと。もう大体待ちぼうけくらわされてですね。そして夜になって、そして基本的な方針として節電をしないといけないと。そのためには早引けとは言わないまでも、なるべく時間内で帰りなさいと言っていたわけですが。そうした大原則の中で、何も明日大体もう、基本的に終わっているんですから。今日のこの時間の中の説明で、どんなに大きなダメージがあったか、茶業関係者の方にお目にかかったけども、それにおけるダメージについての発言など皆無でした。しかも、韓国に私行ったのですけども、行くときの発会式といいますか、出発式でですね、韓国の韓流スターが一緒に行くということもあったのかと存じますけども、ぶら下がりがありまして、私は13ベクレルほど出て、これで本当に安心だと、そしたら普通に入ると言ったわけですけど。本山茶が13ベクレルで、本当に本山茶よかったと言ったわけです。そしたらそれがKBS、韓国のお昼のニュースで流れたそうです。それくらい向こうは神経質になられている。だから日本のNHKは向こうで見られますから。韓国全域でですね。そこの静岡県のトップが来るということで、もう本当に、こうお茶を持っていったわけですよ、お土産に。本当に心配された、それが流れるわけです。そのダメージの方がよほど大きいわけです。そういうことで安全宣言をしております。そして今回600以上のものが出た、しかし経口摂取において、一桁です。200ベクレルという基準値をはるかに下回っている。これは昔からあった基準値です。今に決まったことではない。それを実行していますのでね、一番茶は安心であるということについて、この根拠なき厚生労働省の荒茶の基準値、暫定基準値なるものにもう振り回されるのはよしましょう、ということを強く呼び掛けたいと存じます。今、原子力安全委員会がですね、食品の新しい暫定基準値、つまり放射能によって、農作物がやられるとそれについて今まで考えたことがなかったわけですから。お茶について考えたことがなかった。これについて、新しい暫定基準値を出しなさいと助言している。つまり今のは不十分だと認めているんです。ですから、この基準値に振り回されることはもうよしてくださいということですね。それに尽きます。

<記者>
 先ほどの、代表幹事のやり取りとか聞いていても、どうしてもですね、昨日何で発表できたものを、今日に公表されたというのは、どうも釈然としないのですけれども、先ほどの、知事の御発言を聞いていると、国の科学的な暫定基準値の根拠がないために、反発の意味もこめてそういうふうに遅らせたのか、それとも不安定な、不安を業界とか消費者に与えるダメージを最大限食い止めるために今日になされたのか、そうすると、何か都合の悪い、何か聞かれたくないような情報は、ちょっと先延ばしにするっていうふうなことが、このお茶にかかわらず川勝知事のなかであるんじゃないかっていうふうに、ちょっと思ってしまうんですけども。
 あともう一点、別に当社の記者のことを、あまりここの場で、独断で云々も含めてですね、言うのっていうのは、私たちも、私も静岡新聞の記者ですし、お茶の業界に対するダメージを考えながらみんな報道していると思うんですけど。

<知事>
固有名詞で、いわゆるバイラインでですね、報道されたものは、学術論文と一緒でその人が責任を持つものでしょう。違いますか。
ですから、不特定多数で書いていらっしゃるんじゃないでしょ。バイライン、署名入りです。署名入りはどういうことですか。責任の所在を。

<記者>
 ええ。

<知事>
 取材源はどこですか。ここでしょ。

<記者>
 ええ。署名記事については、そうだと思いますし、ただ、ここで議論するよりか、会見が終わってから個別で議論されたほうがいいんじゃないかなあ、って。

<知事>
 ああ、ありがとうございます。
 私は、先送りするようなことはありません。昨日の待ちぼうけのあと、しかもこの件につきましては、基本的に終わってるという認識を持っておりましたから。ですから、いってみれば藁科地区の一部について、すでに出ているところがあったので、それが出るのは何の不思議でもありませんから。
 ただ、より特定をすると。そしてその生産農家の方が、荒茶を食べたりしないように、そこはすぐ連絡するように言いました。
 あとのことは特段安全に、消費者に即、一時間遅れれば一時間のそのダメージが大きくなるとかいうものじゃありませんでしょ。それは常識的に考えればわかります。
 しかも、何か私がですね、逃げ隠れするならともかくも、今日はSBSで朝、生収録があるでしょ。ですからそこに行く、そこでも若干取材は受けましたが。
 ただ、公平のルールがあるので、こちらで皆様方に申し上げるということがありまして、本当にワンコメントくらいしかしませんでした。SBSに、静岡新聞社に対してですね。そういうことがございます。
 ただ、一回目の6月9日でしたか、あのときの6時から7時半ぐらいに至るときの県の発表の仕方の拙劣さを深く反省しておりまして。ですからスポークスマンというのは、枝野さんじゃありませんけれども、担当部局がやるのもいいけども、全体を見て、脈絡をしっかり押さえながら、われわれの職務はですね、データに基づいて、それを大きな脈絡の中でどのように今解釈をし、対策を立てているかということを言うことです。
 それを見失って、全域で全部大丈夫なのに、いち小さなとりでが損傷をきたしたから、その損傷したとりで全部が同じような状況にあるというかのごときですね、とられかねないようなそういう対応の仕方があったと、いうふうに思っているんです。
 私自身、すごくそのことについて、公表の仕方について、データを持っているのこっちですから、責任を持っているのこっちですから、で、そこが不安なかたちで言ったらですね、聞いている人はもっと不安になるでしょ。不安を増幅させるから。だからこの件については、国からの依頼だと。県知事への依頼だと。厚労大臣の。で、そしてお茶農家も、茶商も、全員一致で受ける、ということでやった。結果も出た、シロだと。
 だから、基本的に終わったんです、安全だということ。それが尾を引いているというのは、こちらにも原因があると思っておりまして、今、われわれが今朝から、あるいは昨日から、発表の仕方について私がやる。私が決めたことです。責任は僕にあるから、僕がやりますと。
 で、皆さんと一緒にやると。ぶらさがりではなくて。どなたの前でもやると。昨日の夜で今日のお昼ですから。何もそれがですね、先送りというふうに思われるような節があるとすれば、これは残念ですけれども、そんなつもりはありません。
  
<記者>
知事は、風評被害を最大限食い止めたいとおっしゃっております。風評被害のもとはいろいろあるとおっしゃっていますけれども、科学的根拠のない検査をさせられたことによって、それが起きるとおっしゃっています。科学的根拠のない検査を何でするのかといえば、知事はそれは地位のある、厚労省という地位のある方から言われたからやっていると。 知事はその風評被害が広がることを防ぐことと、厚労省という地位に対する敬意とどっちに重きを置いていらっしゃいますか。

<知事>
厚労省が言うにもかかわらず、やらなければ余計大きな風評被害が広まるというご心配があったんですね、ですから、既に風評被害が出ていますからね、それを最小限に食い止めるためにどうしたらいいかということを考えたということです。

<記者>
科学的根拠のない検査をこれ以上続けて、また900ベクレル超えてしまったらというのもありますよね。その…

<知事>
心配していません。

<記者>
科学的根拠がないと思われるのなら、ちゃんと主張されて今からでも検査をしてもいい訳ですし。とは思いますが。

<知事>
私は大してやる必要がないと思っています。荒茶における暫定規制値の決め方が不明確ですから、また、責任の所在もどこにもない、厚労省があれを言われた背景にある根拠が見当たらない。食品安全委員会の食品安全の部長さんが、この件について知らないと、そこが食品安全のために言っていると、こういう事態が矛盾していますね。言っています、それが分かったときから。しかし一方で、現実にお茶が生産・販売されている現場でですね、やっていないということが、危ないからやっていないじゃないかと言われるので、やってくださいとおっしゃられた。だけど、大混乱し、生茶でも大丈夫ですよ、念のためにやってくださいと、自分たちはそれを受けたいとおっしゃられれた、それはそれとしてありましたと。二番茶については、一番から出来ますからあのお茶は、、これからとるのでね、とれたところからやっていこうと。本山茶については、二番茶が遅れるそうです。藁科地区につきましては、そういう心配の向きがありますので、そのことが、荒茶の検査を通して、クリアすれば、少なくとも厚生労働省がイチャモンつけなくて済むと、私は厚生労働省はイチャモンだと思っております。



茶の検査結果について(5)

<記者>
私の記憶が正しければ、当該工場は東に向いていると、他とは条件が違うと、念のために他の工場も調べるということをおしゃっていたんですけれども。今回出たといいうのは、同じような地形というか、東向きに斜面のある工場で、最初に出た工場と同じ条件にあると確認されているということ。通常のどちらかというと平らな斜面で、一般的な茶で出たんでしたら、他に同じような条件の工場はあるので、範囲を広げて、例えば藁科地区と隣の地区も調べたほうがいいと思いますが。

<知事>
いや、思いませんよ。最終的にですね、何が原因かをつきとめることは出来ないと思います。私はある方の所で出ている高い値が、じゃあ、外れたところと同じかというと調べてみなければ分からないでしょ。最終的にはですね、茶じん一本一本を調べないと分からないということになります。で、そういうことは不可能でしょ、じゃあ何故ここで出たのかというと、気流はこう起きたんじゃないかとか、あるいは、生葉をつみとるにも各地域で違いますでしょ、日照条件が違うから。そうすると、そのときの気象条件が影響したと。じゃあどう影響したかと、明日の天気予報が外れると、正確に言えないというときにですね、そういう天気図を基にして、目に見えない放射性物質が、どのように動いてこういう原因でこのように来たのか、私は分からないと。あのね、科学というのはですね、そういう面があります。何か調べれば全部分かるというけど、この間の、荒茶でセシウムが5倍になるというベースはなんですか。たった一つです。南足柄茶が、5百数十ベクレル出たと、それを荒茶にしたら、3000ベクレルになったと、だから荒茶になると5倍になる、セシウムの量が。この一点です、しかし皆さん方もセシウムは生葉から荒茶にすれば、5倍になると普通に書いているじゃないですか、たった1件でです。本当にそうですかというと違う値が出ていますね、我らのところで3.5倍と、違う数値も出ています。それをもうなんぼ言ってもだめなんです。つまりですね、実証するということは事象を帰納していって、そこで一般化する、そこで演繹していくんです。ですから、3点調査の意味があるというのはそうことなんです。本当の原因は気象条件とか、あるいは風向きだとか、そのときの福島の原発の動きだとか、ようするに複雑な、とても複雑で科学的な解明に耐え得ない、そうした事象をこの特定の地域でどうしてそれが起こったかということを調べるというのは、これは出来ませんね、でしかもそれは、やる必要がありません。なぜかというと、何のためにやっているかというと、その製品が飲料茶になったときに危ないですかどうかということで、危なくないということですから、大丈夫なんですよ。ただですね、ある程度、暫定的な理解を得ておきたいということがあって、またご心配の向きもあるからやってほしいということがありましたので、それによって原因は簡単に分かりません。こういう条件だったらこうなるとは限らない、そのあたりのところは、科学をやっている人は限界もよく知っているし、いわゆる警戒地域から西北の方向にいろいろな放射性物質が出ていますね。必ずしも西とか南とかに出ていない、どうしてですかと。20km圏内は危ない、30km以上は大丈夫だといっても、地域によって違います。これは原因はですね、全部調べることはほとんど不可能です。われらのところは、お茶が安全かどうかということのために、消費者にお届けするお茶が安全かどうかやっているんですから、それは基本的には安全と言えているんです。

<記者>
しかし、110工場のうち、予定どおり20工場でしたっけ…。

<知事>
それで聞いたらですね、もう製茶がないというところがあるって言うんです。10工場、今日結果が出るそうですけれども、梅田厚生労働省安全部長に、これはもう公的な数字なので、すぐ出してもらって結構です、すぐに送ってください、我々に隠さないでください、自分の言っていることの根拠が薄略で、しどろもどろで、検査するだけの仕事で、縦割りの仕事をしているだけかと、何のためにやっているのかと、安全のためじゃないのかと、いや、頼まれたことをやっているだけですと、そう言われました。そんな訳でですね、科学的根拠について、最終的に結論を出すのは、極めて難しいと理解しております。

<記者>
念のために確認させて下さい。先ほど飲用茶では5〜8ベクレルとおっしゃられたが、これはいつの時点で、どこで検査したのですか?

<知事>
これはですね、今日です。つまり、昨日でましたね、そして、今朝600以上出たと聞いたので、私は、すぐに厚労省に電話して、それならば、出たものについて、これが経口摂取した時に、どのくらいになるのかが、あなた方にとって問題だろうというふうに聞いてますので、検査するように言ったら、できないと言うんです。それで、こちらの・・・どこでやったんですか?

<職員>
環境放射線センターです。

<知事>
環境放射線監視センターで、調べましたところ、E地区において5.8ベクレル、そして、I地区について7.3ベクレルが出た。これ何時にでた?

<職員>
11時くらいです。お昼くらいです。

<知事>
何時から検査したの?

<職員>
9時半からです。

<知事>
だから、彼らはですね、昨日、検査し終わってから、危ないと思っているなら、自分たちで危ないと言っているんですから、飲用茶にしてどうなるか、飲用茶について問題だと言っているご本人達ですから。

<記者>
念のためと言うのは、横浜検査所にもっていいた検体を、同じもので、飲用茶で検査したということでよろしいでしょうか?

<知事>
そういうことです。

<記者>
もう一点、藁科地区以外でも、周辺の地区でもサンプル検査みたいなものを、これからを考えられませんか?安全を証明するために、周辺の検査を考えていらっしゃりませんか?

<知事>
私は、これから出てきた場合、あるべきと思いますけど、検査をですね。今も一番茶においては厚生労働省横浜検疫所で、ようするに、これはあまり関心なく、検査だけに関心のある方たちがやって、全部、19地区において、一番茶の製茶についてOKが出ていると。ちなみに、飲用茶、生茶葉について、我々やったんです。全部白だということで、もう終わっております。ただ、部分的に、今回のように、一工場当たりで、こういう値がでたということが、今後あるかもしれません。そのことについては、そこ作った人達がいらっしゃるので、その人達が、お茶葉を食べてどれくらい影響があるかということについて、影響も書いてないんですからね、農水省も厚生省も言っていないんですし、ただ数値だけ言っている。明日に死ぬがごとき、不安を覚えるようなことすら覚える人達がいるでしょう。こういう数字が一人歩きすることについて、私は危惧しておるし、今おっしゃったようなサークル調査は終わっているという認識です。3回にわたってやっている。生茶葉、飲用茶、それから、今回の製茶です。

<記者>
今後の検査は、今日はもうプラス10を調査をされて、残り80以上ありますが、この検査については今後は。先ほど、製茶がもうないところもあるという話でしたが、これについてはいかがでしょうか。

<知事>
そうですね、これから二番茶がで回るときですからね、とりあえず、今回の10の工場で聞くところによると、85%の製茶、つまり、大きな工場群が全部カバーできるということなんですって。ですから、残り15%、80あまりの工場ということになりますから、これは現実的に、できるところはやっていこうと思いますけど、全部クリアしてますので、ですから、飲用茶について、特段、消費者に危険を与えるということではないと。私は作ってられる方の食用になっているということを聞いてますので、茶農家の方から直接、そこのところの安全は真剣に考えています。出た時には、調べていかないといけないと思ってますけど、どこの茶畑からでたとか、そこから取った荒茶は、食用になさらないようにという要請はしたいと思いますね。

<記者>
本日は浜岡原発が全面停止してから1ヶ月たっています。浜岡原発と荒茶の検査で、似たようなところがあると、私は思っています。科学的根拠がない、突然出てきた、地元の意向をまったく無視している、これら二つの件は、すべて菅内閣が決めたことです。菅政権に問題があるとは思われないでしょうか。

<知事>
原発につきましては、津波対策がないということは、自他共に認めるところでございました。つまり、それは危険なんです。今回、福島原発がやられたのは、地震のみならず津波によるところが大きかった。その津波は想定外であったけれど、想定内になったということで、まず、危険の対象がはっきりしているということですね。それを理由にして、津波対策をしない限り、再開できないという経産省が、お考えになり、かつ、首相もそれに基づいた地震が津波を起こすということで、その可能性が非常に高いということで、お止めになったということです。
今回の荒茶については、これは危険度というものは、食用にする可能性があるのでということだったんです。その可能性は、何ですかっていう時に、抹茶と区別、抹茶らしいと、抹茶の前に碾茶という工程があります。ひきのばすやつですね。これを粉にするんです。碾茶と抹茶、荒茶の区別がつきますかというと、つかないと、わからないと、碾茶って何ですかということですからですね、お茶について、何の食品的安全性に無知な人が、ある基準を定めて、経口摂取する可能性があるということなので危ないと言っているわけです。あなたの言っている中身が、筋が通っていないと言ったら、一応、検査するのが、自分たちの仕事ですからということですので。やはり、原発の停止、危険のありようについては、相当大きく共通理解があります。しかし、荒茶につきましては、これは共通理解どころか、共通理解を得るのが難しいところがあると。


<記者>
それで、今回、厚生労働省と農林水産省の意見の対立がありました。最終的に、決められたのは、菅内閣だと思います。知事は厚生労働省の方をかなり厳しく批判されていますが、もっと上のほうの責任があるんじゃないでしょうか。具体的に言えば、菅総理大臣の責任が一番重いではないかと思うんですけど、どうお考えでしょうか。

<知事>
厚生労働担当は菅内閣がその仕事をするとすれば、できないですね。菅首相ご自身が。ですから、食品安全に関しては厚生労働大臣が、これが最高責任者です。そこの方が言われたと。それは対策本部の決定、すなわち責任者が菅さんですが、その対策本部長を代弁してですね、厚生労働大臣が、具体的に静岡県知事を名指しされて言われたことです。それは、根拠になっているのが原子力安全委員会の助言です。しかしその助言が無かったといっている。しかもその助言の中身について言うならば、これを自主回収しろなどと言ったことは一度もないと言っている。経口摂取するものについては、安全のために新しい基準を決めろと言っている。これをどう思うか。情けなくてですね、対策本部全体、そして原子力安全委員会、そして今回の厚生労働大臣の部局である食品安全部ですか、この輸入食品室長と言う人がですね、最初に言ったんです。荒茶が摂取されるって。直接。抹茶と区別していない。そういうことでですね、私は固有名詞を挙げたいぐらいです。具体的に言った人、その方が言ったことが別の人の、あるいは別の権威のもとで出てきて、我々は振り回されているわけですから。昨日あんなに遅くまで待たされたのも、検査結果が何時ごろ出るって言ってくれればいいじゃないですか。私は何時に着いたかな。2時半か3時ぐらいだったと思いますけれども、ずっと電話して聞いてましたから。まだですか、まだですか、と。で、もう視察現場からそのまま帰りますと、ちょっと調子が悪いので休みますということになったわけです。で、もう明日にしましょうと。記者会見もあるからということで、それは起こったことですから、私は全然まだ慌てていないし、責任の所在については固有名詞を上げたいんですが、いきなり菅さんだというようなことを言うには、あまりにも中身が分かっているのでですね、どこで誰がどういう発言をしたのかということも分かっているし、それがどういう決定になったのかということも分かっていますし、そうなりますと、責任の所在はバイラインと一緒で、大きなものの隠れ蓑になって、何々課がこういっている、何々部がこういっている、という言い方はしない。誰が言っているんですか。どなたがどういう根拠で言っているんですかというところまで僕は、県庁の中においても確かめています。一人一人が責任を自分の与えられている仕事について、責任を持って自分の言葉で言えるということでなければならない。いうぐらいに思っているんですよ。固有名詞です。

<記者>
知事はですね、県の責任は知事たるご自身にあると言われているわけですけれども、今回、原子力対策本部がやっていますので、やはり全ての責任は本部長に、意思決定機関がいい加減なことも含めて本部長に責任があるんではないでしょうか。そこを追求していくのが政治家である知事のお仕事ではないでしょうか。

<知事>
最終責任は私が持ちますから、自由にやってください、というふうに言っているんですよ。あなたはこの責任を持って、固有名詞をもって、あなたの力量においてやってください、それで失敗したときには私が責任を持つ、これが僕のやり方です。菅直人首相それ自体が、今のお仕事ぶりを見ていますと、たくさんやることがあって、この荒茶と言うものについてどれだけご存知であったのか、なかなか心もとないところがございます。私は農水大臣が、厚労大臣に政治的に押し負けられたというところにあるかなと思っています。厚労大臣の主張をお取りになったのは菅さんですから、菅さんはきっと安全のためだったんでしょう。これは安全第一でやっていられる、それは分かりますけれども、その安全の基準が実は脆弱な根拠に基づくものであったし、不透明な意思決定機関でなされて、今ひとつひとつページをはがしていくと皆自分に責任が無いといっている。不思議なくらいです。どなたも責任がないと言う、そういう状況が起こっている。しかし、僕はこの脈絡の中で具体的に細川大臣に電話をする。ですから、どこかの課に言っておきましたとか、どこかの課にお願いをして置きましたとか、そういう無責任な形に逃げられかねないことはしないで、常に固有名詞。この人物、それから事務職員、安全室長、そして厚労大臣、ここまでがこれを決めた中で上がってきてますから、もうひとつ原子力安全委員会の5人組のうちのお一人、その放射能担当の委員、経歴も調べてますから。どういう見識でこれが言えるのかと。そういうふうにしないと本当の安全は守れないです。原子力も一緒です。原子力安全委員が大丈夫だと言った。あるいは周りが大丈夫だといった。誰が言ってるんですか、どういう根拠ですか、そういうふうにひとつひとつ。そして日本にも優れた科学者、技術者がいるので、私は自分でそれをやろうと思っているんですけれども、そういうときの責任は私にあるけれども、今あの責任に対する中でですね、ある人に全部その責任を負わせるというのにはちょっと躊躇するところがございます。

<記者>
先ほど、E工場、I工場について飲用茶では、基準値をはるかに下回る数値だったわけですけれども、だとしたら出荷自粛をかける必要はないと思うのですが。県が出荷自粛をかけて、自主回収を呼びかけることによって、これは危ないんだということになりますよね。そこらへんの整合性が。それで食べる人はいないという。だったら飲用茶についてはこういう数値が出ました。これからは安心して飲んでくださいと言うほうが、僕は親切じゃないかと思うのですが。

<知事>
そうですね。おっしゃる通りだと思う。一方で最初に二つでましたね、民間でお調べになって、500を超えていると、で、こちらで調べて、客観的に調べて横浜検疫所で調べて、ひとつは下回って、他方では上回っていた。そこの方が自主回収なさったんです。それで今度は自主回収しなくてもいいっていうふうに言えないというふうに事務局のほうは考えている。私も、なるほどその通りかもしれない。だけど今あなたが言われたとおり、飲用茶において全く問題が無いのでですね、私はですね、おっしゃるとおりですね、高いほうの茶で5.8ベクレルでしょう。全く問題ないんですよ。にも関わらず御本人に言ったらどうなるかと。茶農家の方、自分のところのこれは、製茶で600ベクレルを超えていると。これを一応口に入れるといわゆる基準値というものを超える、と。それは不安でしょう。ですからそこに知らせないといけないですよね。その人たちがどう思うでしょうね。こういう自分のようなことが起こった場合に、それはまことにお客様に申し訳ないというようなお気持ちもあって、ですからあえて自主回収をすると。そしてこれはセンシティブなところもございますけれども、よくよく突き詰めると安全であるのにそうしているわけですから、それで結果的に大損害を被るわけですから、その損害の補償を、言った本人、やらせた本人が持つべきだと。持つ方向で動いていると思いますけれども。ですからダメージをなるべく小さくしたいということ、それから生産農家で自分に責任がないところで、600ベクレルを超えたものが出たということについてのショックがあるでしょう。このショックを出来る限り和らげる方法として、とりあえず誰にも迷惑をかけていませんと。しかしこの大きな損害は、やはり私からすればいらないとおっしゃっても、厚労省から出てきた一種の風評ですよね。飲まないのに飲むものだという強弁をして、回収するのが望ましいといっているんですから、安全上。ですからそう言われた以上、あなたの言葉の責任を取りなさいと。それが補償です。同じ論理には立ってるんですけれども。

<記者>
今回のお茶の発表だと、我々の認識と知事の認識が違ったと言うことなんですけれども、今後こういう安全に関わる問題、数値を県が、知事が入手された場合に、今回のように知事の判断によって、直後に発表するというのではなくて、その数日遅れるとか、一日、半日遅れるとか、そういったケースというのは今後も知事のお考えとしてはやっていくおつもりがあるのかということをお聞きしたいのですが。

<知事>
この件については、私も新聞を見まして、先送りという文字が躍っていましたので、そういうふうにお取りになったのかと思いました。それで先ほどこの厚労省食品安全部長ご自身に検査結果が出れば即ご発表いただきたいと申し上げております。僕はもうホームページにでてるものだと思っていたのですよ。ところが何となく、検査を依頼した者がまだ発表していないのに、それを発表するのははばかられるということだったようですね。それは分かるけれども、検査結果はこちらが発表する、そちらが発表される、全く問題はない。発表する媒体を持ってらっしゃいますし、それぞれが発表する。ただ向こうがこちらに遠慮して、発表しなかったとおっしゃるので、それは遠慮される必要がない。発表してください。今日のあなた方が手に入れられる情報の時間と、私どもが手に入れる情報の時間と、この2回目の検査工場に関する検査結果についてはほぼ同じぐらいになりますから。私はもうこれについて、繰り返しますけれども、一番茶についてはもうクリアしていると思っています。

<記者>
文芸春秋の今月号で、次の総理はだれかという特集をやっておりまして、その1ぺージ目に知事の名前が上がっていました。上げていたのは知事が尊敬する梅原猛先生で、それについての率直なご感想を教えてください。

<知事>
梅原先生は本県の最高顧問です。今朝こちらの知事室に来ましたら、文芸春秋が置いてあって、そこに付箋が挟まっていて、開けたらいきなり書いてあってですね、まあ恥ずかしいやら。そんなお世辞を言う人じゃないので。しかし、制度を含めて筋の違う話ですね。まあ、そのつもりでやりなさいと言われたのかと。やはりここの380万の方々の生命や健康、生活、経済、これに対して税金をお預かりして、上手に使うことを通して、保障したい、しっかり支えたいと思っておりますので、それはもう、責任の大きさははるかに首相のほうが大きいのですけれども、この地域なくして日本はないわけですから。ですから私はこの日本の中央で、本気で日本の理想郷をつくってみようというふうに激励されたと思いました。今年で彼は86歳になられるんではないでしょうか。1925年の生まれだと思うんですよ。日本ペンクラブの会長もされた方で、人間観察が非常に厳しい方です。私は彼の後輩でもあります。彼と初めて会ったのは、日文研に行ってから後のことで、彼は既に日文研の所長でもありませんでした。ただ梅原先生のお書きになっている、特に第一期の全集は、全部読みまして、今第二期で、全部で五十数巻あると思うんですが、まあ割と繰り返し読むんですね。そんなこともありまして、しっかりその研究も見て影響されたものです。尊敬しています。ですからそれを見てまことに光栄だと思いましたが、それはそれ。ともかく、私はいろんな講演会でよく言いました、自分が外務大臣だったらどう考えるか、主権在民なので、考えることは自由だと。どういうふうにすればいいかということをそれぞれ考える今、実行できるだけのポジションにいなくても考えるのは自由だから。だからそこで自立して考えないといけない。自らが自立して考えないといけないいうことを言ってきましたので、その意味では首相になったつもりで、日本のことをどうするか、しかし今預かっているここのことを抜きにして日本はありませんので、この日本にとって不可欠の、しかも中心的な部分としてのこの静岡県のためにより粉骨砕身して先生のご期待にも応えたいというふうに思います。ありがとうございました。