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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2011年11月28日(月)

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知事記者会見

2011年11月28日(月)


発表項目 1.副知事による浙江省訪問について  2.新東名マラソンについて  3.ふじのくに食の都仕事人ウィークとトップセールスの開催について
1.新東名マラソンについて(2)  2.震災がれきの受け入れについて  3.大阪市長選、大阪都構想について
1.新東名マラソンについて(3)  2.浜岡原子力発電所について  3.リニア新幹線、空港新駅について

発表項目 1.副知事による浙江省訪問について  2.新東名マラソンについて  3.ふじのくに食の都仕事人ウィークとトップセールスの開催について

副知事による浙江省訪問について

    <知事>
    冒頭、大村副知事の方からご報告があります。

    <大村副知事>
    副知事の大村でございます。冒頭私の方から先週21日から25日まで私が団長となりまして、中国の浙江省を訪問いたしました。そのときの会談の状況、また友好提携30周年記念に向けた取り組みについて、若干ご報告させていただきたいと思います。まず、先方の代省長、代省長は代理の代と書いて、省は役所の省に、長は長いと、今、省長の代理じゃないですが、代省長という立場で、夏宝龍さんという方に会ってですね、夏に、宝にドラゴンの龍で、夏宝龍代省長と会談をさせていただきました。この夏宝龍さんが現在、代省長という立場なのですが、これは浙江省レベルでは省長として承認はされていて、全人代、中央段階での承認を待っているという状況で、実質現在も省長の役目を果たしています。その夏宝龍さんが4月の第1週に、団長として浙江省の代表団を引き連れて本県に来るということを自ら表明をされました。そのときは全人代が終わっていますので、正式に省長となっているのが見込まれますけれども、自ら来られるということです。基本的には、未だこれからの調整ですけれども、役所の関係、それから今回初めて省民交流団ということで、浙江省の中からですね、省民の方に公募して集めて一緒に来られるということなので、200名程度の規模ではないかということをおっしゃっていましたけども、それは前段の会議で話が出ていましたが、具体的な規模はこれから調整だと思います。それと、一方で来年11月にですね、本県川勝知事を団長とする静岡県の代表団を浙江省に派遣するということで、その旨をこちらからお伝えを致しました。来年友好提携いわゆる30周年になりますので、春夏秋冬さまざまな交流事業を行っていきますけども、一つの公式の訪問団を軸として、4月に先方から静岡に来ていただき、また11月に本県から知事を団長として、訪問団が向こうに渡航するということでございます。全体としては、今までの30周年を振り返ってですね、役所である行政間ですとか、それから企業間、財界との交流は非常に盛んに行ってきて、その蓄積は十分あるのですけども、これをいろんな形で県民、省民全体の交流に広げていこうということが、大きな狙いとなってくると思っております。ちなみに、夏宝龍代省長は習近平次期国家主席といわれている習近平さんが省書記でいらっしゃるときに、急遽北京に呼ばれて、来られなかったのですけど、そのときの代理で1回、25周年のときに、静岡県に来られたことがございます。そのときには、浙江省の党の副書記という立場であったと思います。非常に活発なスポーツマンでもあり、また、音楽などにも非常に造詣が深い方でいらっしゃいます。それから、もう一つ、調整会議というものがございまして、第3回だったのですが、龔正(きょうせい)副省長と調整会議を行いまして、そのときに、来年度の30周年の記念事業について行いました。様々な産業から文化・観光・そして広報、色々な分野で交流していく内容について、概ねの打ち合わせをし、合意に至りました。また、第20回となる静岡県と浙江省の経済交流促進機構会議、こちらの会談を行いまして、この中では今申しました30周年記念事業のうち、緑茶博覧会、そして産業観光展、観光交流等について具体的な打ち合わせをいたしました。それから、最後に私がそのあと、舟山市というところに行きまして、舟山市というのは、舟の山と書くのですが、舟山市の市長さんのところに出向きまして、そこで会談いたしました。この舟山市の市長さんは「周国輝」周恩来の周に、国で輝と書くのですが、周国輝市長といいますが、向こうの新区の特区なんですが、浙江舟山群島新区(せっこうしゅうざんぐんとうしんく)というものに今年承認されています。ここは伝統的に漁港と港湾がある市でして、約100万ほどの人口がある結構大きな市です。こちらをこれから開発して、大きく港湾として、隣の寧波とともに発展させていくと国の方針がありまして、これから伸びていくところです。こことも30周年を向けて静岡県と浙江省とともに具体的に交流していきたいということで、県内のいずれかの本県の市・町とですね友好的な関係をさらに努めていきたいという話がございました。今までのところは焼津市が部分的にハーモニカなどを通じた交流をしているという実績がございます。いずれにしても、その件についても30周年に向けてこれから議論していこうということになると思います。私からは以上でございます。

    <知事>
     ただ今、副知事の方から、帰ってきたばかりでその興奮を直接お伝えしたいという申し出がございましたので御報告いただきました。





    新東名マラソンについて

    <知事>
    めでたい話の後でちょっと辛いのですが、去る11月20日に、ふじのくに新東名マラソンを開催いたしました。これは1万5,000人もの応募がありまして、そして1万人あまりの方が参加してくださったわけですけども、本当に残念なことに9名の方が救急搬送され、470人を超える方が棄権されると、その原因は給水不足、紙コップが足らないし、水も足らない。さらに、トイレの施設も不十分だったと。そして、本県を誇るような食材が振舞われたわけではない。それから担当の職員の方々の応接が横柄であったと。それからバスが用意されたんですけど、スタッフ優先に乗っていたと。聞けば驚くべき事実がいくつか明らかになりまして、本当にこれを楽しみにしていて参加されたマラソンランナーの方に対しまして、実行委員会顧問を務めております私としましても申し訳ない気持ちで一杯でございます。本当に申し訳なく存じます。担当の方々、これは実行委員会の組織でございますけれど、猛省を促しておりまして、ことによっては処分ということも考えております。
    それから参加費が1万円近いわけでございます。そして、その他参加費と別途にロッカー代だとかお金もかかったみたいで、8,500円という値段なんですが、いろいろな書き込みによるとそれ以上のお金を書いてきている人もいまして、ですから、8,500円、500円は義援金として使うということでございました。この会計処理がどうなっているか聞いたところ、まだ整理が終わっていないということでございますので、この会計につきましては収支を明確にして御報告していただけるように担当の方にきつく指示したところでございます。さらに、今回の大事なイベントだっただけに、こうしたことが二度と起こらないようにこれを検証いたしまして、県民だより、なるべく早い県民だよりということで、12月号は残念ながらもう既にほぼ出来上がっているのでいまさらということでございますので、1月号に、正月号にこの件につきまして全て御報告を申し上げ、どうしてこういうことになったのか、これをはっきりさせた上で今後こういうことがないように万全を期していくという反省の材料にもしたいというふうにも思っております。今回御参加なさいまして、特に怪我をなされた方々、不愉快な思いをされた方々に対しまして、県を代表いたしまして心よりお詫びを申し上げます。本当に申し訳なく思います。すいませんでした。
    何とか名誉挽回したいとも思っておりまして新東名もあるいは最初にして最後ということだったんですけれど、もう一度そういうことができるかどうかということについても、今、可能性を探っているというところでございます。失敗は一度だけということで、今回の失敗を十分に次の、まだいろんなイベントがございますのでそこに生かしてまいりたいというふうに考えております。




    ふじのくに食の都仕事人ウィークとトップセールスの開催について

    続きまして、もう一点御報告することがございます。
    それは、ふじのくに食の都仕事人ウィークとトップセールスの開催についてでございます。いよいよ師走を迎えることになりました。この時期に開催する、ふじのくに食の都の催しが二つございます。
    一つの催しは、冬の食の都仕事人ウィークでございます。12月22日は冬至でございますが、冬至にちなみましてクリスマスの起源といわれる、冬至祭をテーマにいたして12月11日から25日までの、中14日、足掛け15日間を冬のウィークとして開催いたします。今回は、今年2月に富士山にちなんで開催いたしました春のウィークからスタートして4回目の開催となりまして春夏秋冬で一年が過ぎるということでございます。 今回は約100人のふじのくに食の都づくり仕事人にご参加いただくことになりました。食材の王国を誇る本県におきまして、冬は野菜など特に食材が豊富な時期です。今回は冬野菜に加えまして、県産の牛肉、フジ小軍鶏、県産ジビエ、この三つの食材を特集しまして仕事人の店で提供していただきます。
    これは消費者への広報窓口でもある仕事人の皆様に風評被害対策や鹿、猪の被害にあわれている方への対策として、新しく開発した食材のPRに一役買っていただくものです。今回、県からの依頼に対しまして、予想を上回る仕事人の方々が応えてくださったことで大変ありがたく思っております。忘年会やクリスマスの時期とも重なりますのでこの間、ぜひ家族の皆様、友人の皆様と御一緒にふじのくにの食を味わっていただきたい。
    もうひとつの催し物は、12月19日に東京都内のホテル椿山荘、山縣有朋の別邸だったところですが、で開催いたしますトップセールス、ふじのくに食の都交流会でございます。これは本県の食の都としての魅力を観光資源のひとつとして首都圏の旅行業事業者、報道関係者、食関係者に披露するため開催するものです。この催しでは食の都のトップセールスをはじめとしまして、食材の王国の代表ともいえるしずおか食セレクション認定品の数々を紹介するとともに、これら静岡食材を熟知した本県を代表する料理人、すなわち明日開催します食の芸術の集いで表彰します仕事人オブザイヤー、静岡ならではの料理をご披露していただくことになっています。また、都内で活躍する本県出身の料理人、お一人は奥田透さん、銀座小十の店主であります。ミシュランガイドで三ツ星に輝いたお店の店主、奥田透さんと創作料理店山田チカラオーナーの山田チカラさんによる食材の王国、しずおかの魅力を語る応援対談も予定しています。これらの催しを通じまして首都圏からの参加者に食の都としての本県の魅力を認知していただきまして本県への誘客を図ってまいりたいと考えています。
    以上が私からの報告事項でございます。




1.新東名マラソンについて(2)  2.震災がれきの受け入れについて  3.大阪市長選、大阪都構想について

【新東名マラソンについて(2)】


<記者>
それでは知事からの発表への質問はありますか。

<記者>
新東名マラソンの件に関しまして、処分を検討とありましたが具体的にはどなたの処分ということですか。

<知事>
どなたがどういう責任でこういう、ランナーにですね、書き込みによれば死者が出なかったのが不思議なくらいだと書かれていて、かなり厳しいご批判がございまして、いろんな人が書き込みをしているのですがその書き込みによりますと担当にあたったスタッフの対応が相当思いやりに欠けるところがあったみたいで、こうした辺り責任体制がどうなっていたか今お聞きしているところです。ともかく今は猛省を促してかつどういう準備でなぜこのようなことになったのか、我々が考えていたことと実際に行われたことギャップがおこったのはどうしてなのか、これは明確にしたいと明らかにずさんな応接体制であったということは多くのランナーの方々からのコメントといいますか批判はあきらかなこと、これは責任の問題であろうと考えています。

<記者>
県以外にも陸上競技連盟とかいろんな方々が加わっての実行委員会だと思いますが、処分というのは具体的に県の立場の人を処分ということですか。

<知事>
これは極めて重大な失敗でありまして、ですから、文字通り40km以上を完走する人に5kmごとに水を置いてないということがあったり、水が足りないと、コップが足りないと、トイレにもまともに行けないと、そして食材を準備すると、前もって準備していたはずなのにバナナしか置いてないと、いったいどうしてこんなことになったのか。指揮系統に何か問題があったと存じます。もちろん本県とは別個の組織も関わっておりますが、本県も主催者のひとつでございますので、これは反省しなくちゃいけない。関係者すべてに猛省を今求めているところです。

<記者>
もう一点。20日開催で公になる形がかなり遅れてしまったことについてはどのようにお感じになっていますか。

<知事>
 あ、そうですか?公というのは何について?

<記者>
 おそらくちょっと、詳しい状況は分からないのですが、新聞報道が先行するような形で先週このことが明らかになったというふうに認識しているんですが。

<知事>
 そうですね。私自身は19日は土曜日ですね、奈良におりまして、20日に御案内の奈良において第35回育樹祭がありまして来年度第36回は本県でありますので、次の育樹祭の主催県はそこに出席しなければならないということで1日奈良にいたわけですね。帰ってまいりましてその翌日に報告を受けたと思います。ランナーで倒れる人が出たと。救急で搬送される人がいた。特に日曜日は26度というこの時期には珍しい天気がいいだけではなくて暑かったわけですね。そういう厳しい環境状況で健康を害した人がいたということでバタバタ倒れたというふうな報告を後になって知ったわけですけれども。その時からですね、調べてもらっているんですよ。そして実行委員会、あるいは実行委員長、あるいは主催者も複数ですね。そして特に放送したところが、これSBSですかね、静岡新聞社ですか、その翌々日ぐらいにですね、その社と新春の対談をしているんですよ、その対談でも成功したかのごときコメントをインタビュアーはしているので。確かに私も認識が甘かった。しかし、いわゆるインターネットで寄せるものがありますね、それはもう(報告を受けた)その日のうちに頂きましてこれはただならぬことだということでですね、徹底した原因究明と、いったい何が起こったのかということについて、調査して検証して公表するということを決めまして、そして収支についても実行委員会にお聞きしましたところ、まだ収支計算が終わっていないということなので、これの在り方についても(調査、検証を)していただく。特段遅らせたという意識は無いのですけれども現場に居合わせなかっただけに、関連の情報を集めてこの事態を重く受け止めて二度とこういう事態が起こらないよう検証し公表しそして再発防止に努めたい。こういうことでございます。









【震災がれきの受け入れについて】

<記者>
 幹事社質問に移ります。二つありまして、一つ目は岩手県大槌町、山田町からの震災がれきの受け入れ促進に向けて22日に細野豪志環境相に要望書を提出されましたけれども改めてこの問題に対する今後の国と県との協力の在り方について教えてください。
 もう一点は、昨日の大阪の府知事選と市長選なんですけれども、大阪維新の会の橋下徹さんと松井一郎さんが当選されましたけれども、その結果の感想と、今後の地域主権論議に与える影響について教えてください。

<知事>
 第一のがれきにつきまして環境大臣である細野豪志大臣と直接お目にかかりまして、市長会から寄せられておりました国と県が一体になって協力する、国の協力をしっかりと取り付けるための要望書を持って直に御説明申し上げました。その要望書の中に書かれていることはきっちり検査するということ、安全を確保するということ、でございますが私は市町の首長先生全員が、協力したいとおっしゃっていただいた。しかし、市町のがれきの処理の仕方、これはまちまちですので、ですからそのまちまちのものに応じたきめ細かな対応をしていただくように細野豪志大臣に要望書とは別個に要請したわけです。そうすると細野豪志大臣は、そこに環境省の担当のトップの方をお呼びになりまして、そして全て市町の具体的な要請に則った形で大槌町、山田町から出るがれきについて、出るところでの検査、そして来たところでの検査、それから燃やした後の持っていく場所が県外である場合、そうしたところへの御説明ほか、個別事例についても真正面から対応するというふうに言っていただきましたので、今は市町の方々の中で何か静岡県方式というふうな静岡県のみに当てはまる基準を期待されている首長先生がいるとしましてもですね、市町それ自体に基準も違うかつ余力も違います。ですからそれぞれの事情に応じて、もし余力の1%を処理できるということであれば、その処理できるときの条件をおっしゃっていただければ。例えばそれぞれの市町で燃やされているゴミの中に、空中にございますように放射能が若干どこにでもあるわけですね。そうしたものについて規定がございますが、その規定以下でなくちゃならない。こういうものは国が言っている8000ベクレル以下のもの、とは別個のものでございますので、そうしたものを含めて個別具体的に対応するということを細野豪志氏から直接に聞き、それを直後の記者会見で申し上げて、今、市町の首長先生の誰かが手を上げてくださるのをお待ちしているというところが今のところです。まだ今日段階では、それぞれ県議会であるとか、住民の方々との最終的な調整が終わっていないということでございまして、どこの市町からも、首長さんからも手が挙がっておりません。今日たまたま本田市長さん、遠野市の本田市長さんがお越しになって、10時半から12時まで1時間半、後方支援にあたられたわけですね、我々が遠野市の言ってみれば手足になって最前線で仕事をしたわけですけれどもその対象は大槌町と山田町だった訳ですが、そして大槌町も山田町も膨大な津波でやられたのが、これが風評でですね、ゴミだと言われている。しかし実際は自分たちの家であり、結婚指輪であり、あるいはアルバムであり、そうしたものですね。そうしたものを放射能に汚染されているんでしょうと言われるつらさなんかもお聞きしまして、我々が言っているのは、福島だとか宮城だとかなかんずく放射能に直接汚染された土壌について言っているのではなくて今まで我々が文字通り我がこととして救援に取り組んできた、今でも部分的に続けているんですけれども、大槌、山田のその生きた証である、いわゆるがれきですね。これについてお願いをしたいということを本田さんのお話を聞きながら改めて感じた次第であります。






【大阪市長選、大阪都構想について】

<知事>

 第二の大阪の選挙ですけれども、大阪府知事、新しく誕生されておめでたいと思っております。松井さんは直接存じ上げていません。しかし新しく大阪市長になられた橋下さんは存じ上げておりまして、大変明快な主張をされる方で、新しく市長になられて心からおめでとうございますと申し上げたく存じます。維新の会では、両方制したということで二重行政を解するという維新の会、なかんずく橋下前知事の主張は実行しやすくなったなと思っています。そのやり方についてですけれども、大阪都という方法を考えられているんですが、これは3つぐらいの理由で厳しいなと。もちろん新聞に報道されている制度上の問題もあるんですが、それとは別個にいたしまして、二重行政を廃止するために仮に大阪市に全ての府が持っていたような権限や財政を移譲した場合、これは言ってみれば平松さんが言っていたような特別自治市みたいなものになるわけですね。そうすると大阪都というのはどうなるのかなと思うわけですが。それから仮に府のほうに全ての権限等を一括するという風になった場合は、現在の東京都もそうですけれども、23区の中で人口差も非常にあって、中には市になりたいと言っているところもあります。すなわち二重行政というものを今以上にうまく克服できるのかと。府が都になるだけですから。こうした点も危惧されますね。それから大阪都というもののモデルが東京都になっているわけですが、これはまあ従来からの東京に対抗する、巨人に対抗する阪神みたいなイメージでですね、東京に対抗されているという古い図式における構想だというふうに思っております。したがって地域分権に大きなインパクトは大阪都ができてもあるかどうかなという懸念があります。しかし例えば大阪都構想に大村愛知県知事や河村名古屋市長が、中京都構想に良いというふうにおっしゃっておりますが、愛知県も特段名古屋市と行政的に一体になるような、そういう動きを示しているわけではありませんが、しかし名前から言って東京、中京、ということであれば西京でありますね。大阪都、京都、奈良の都、福原の都、滋賀の都を、西京都構想と言ったようなものとして、現在の府県レベルを超えた方向に踏み出すようなことが併せて起きますと、東京、西京、中京といったような新しい地域分権の流れが出来てくるかなとは期待しています。現在の地域分権は、基礎自治体にしっかりと自分たちのできることをしていただくという、そういう流れですね。そうした流れでいえば、大阪府から大阪市が自立するのが一番早いと存じます。しかしそのことは大阪都を作ることによってできることではないと思っておりまして、ですからもう一皮剥けないと、日本の地域分権の実をあげるところにはいかないなと思っています。特に大阪市長に橋下さんがなり、松井さんが大阪府知事になったことによって、いわゆる関西連合というものの枠組みに変化が起こるとも思いませんで、現在の府県制を前提にした中で大阪市が、橋下さんが市長になることによって力がつくだろうと。それは大阪府を乗り越えるという形になるかもしれない。しかし仮に大阪府のほうに権限が全部いくとすれば、そこに東大阪市もあるいは政令指定都市の堺市もございますし、そうしたものを府が都になることによって現在のような23区で純粋に編成できるかどうかとなるとそれは皆さん選挙で選ばれた首長先生がいらっしゃるので相当に難しい道のりが予想される。そうした印象を持っています。

<記者>
 大阪の選挙の関連で、橋下さんのやり方というのは独裁じゃないかという批判の声もあるわけですが、知事は橋下さんの政治手法、選挙の戦い方というのを御覧になっての御見解をお聞かせください。

<知事>
 独裁というのは言葉の綾だと存じます。リーダーシップを強力に発揮するということですね。しかもその中身は大阪市民が大阪のことを決める、大阪府民が大阪のことを決めるということのために二重行政を廃止します、と。大阪市長が大阪府のことに口出す、大阪府が大阪市のことに口出しし得ない。そのために色々な軋轢だけでなくて、無駄も生じているということで、このことは私も近畿の戦略部会でこれは地方整備局や財界や何かと御一緒にするそうしたところに招かれて近畿の事情についてはそれなりに知っておりますし、また京都も京都府の未来を考える委員会の座長も務めたりしてですね、あちらのほうはそれなりに知っておりますけれども、大阪府が市に比べてどちらかというと弱い。仲も良くない。それを少し一つにして無駄を無くして活力をつけていこうではないかということが主張の中身ですから。その主張を実現するために大阪府と大阪市を一緒にするというのは非常に分かりやすいですね。それをやるためには明確に主張を持ってかなり強烈なリーダーシップを持って組織を変えなくちゃいけません。これを言葉の綾で独裁と言われたのだと思いますね。これは彼が独裁者であることを意味しないと思っています。




1.新東名マラソンについて(3)  2.浜岡原子力発電所について  3.リニア新幹線、空港新駅について


【新東名マラソンについて(3)】
<記者>
 一番最初に出てきた、謝罪をされたマラソンの件なんですが、関係者の処分という件
について言及されたわけですが、実行委員会の中で知事がどのような職に就かれたのか詳しく分かりませんが、顧問としての御自身の責任ですとかそういったところについてのお考えをお聞かせいただければと思います。

<知事>
 私は実行員会の顧問で、県も主催者の一つですね。ですから極めて申し訳なく思っています。私が思っていた、あるいは聞いていた、あるいは説明を受けていたその内容と、運営の実態がかい離していたということですので、これは県も主催者ということであれば私も責を免れないと存じますので、県の中でどうした形で責任が取れるのか、深く猛省を求め、実態を知るということから始めるということで、とりあえず多くの方が脱水症状になった、倒れた、あるいは救急で搬送されたという事実があります。そしてそうでない人も非常に不愉快な思いをされたということが分かっておりますので、マラソン大会としてこれを成功とは到底言えない。まして新東名を寿ぐためにやったものが、結果的にケチをつけかねないような結果を招いておりますので、こと志と全く違う結果になったということを極めて遺憾に思っておりまして、どういう風にして反省をしたらいいのかということでもう一度機会を与えられるものであるかということも含めて今考えているところです。






【浜岡原子力発電所について】

<記者>
 浜岡原発のことで二点お伺いしたいのですが、ひとつは今のEPZが見直されていく中で安全協定の見直しも必要になると思うのですが、知事自身はこの安全協定についてどうあるべきかというふうに考えてらっしゃるのか、というのが一点。
 もう一点は今磐田にあるオフサイトセンターの代理なんですが、知事自身がおっしゃったようにそこは今機能が出来ない状況にある中で早急な代替施設が必要だと思うんですがそれはどんなふうに考えてらっしゃいますか。

<知事>
 第一点ですが、四市と中部電力との間で協定を結ばれているわけですね。それで、四市の足並みが乱れていますね。ここを非常に憂いているわけです。そして四市だけでなく今30kmということになりますと、かなりの多くの70万人の人達を覆うような地域になります。その協定がまだ結べるような状況になっていないと思っていまして、まず御前崎、牧之原を始め四市の連携をしっかりしていただくには僕は何ができるかなと考えております。まずそういう30kmになったからこれこれの町が全部入ってくる、それをどうするかということの前に、一番原発から近いところの御前崎、牧之原、それから掛川と菊川ですか、ここの人たちが一つにならないといけないですね。どういうふうにするのか。このあたりからかなと。3.11が起こって以降、一、二回しか会合を開いてらっしゃらないわけでしょう。このあたり意思疎通を欠いていることは明確で、これの意思疎通を早く図るということを、そういう環境整備を僕はしたいと思っています。
 第二点のオフサイトセンターですけれども、磐田に見に行きましたところそこは八木所長さんが「使えない」、と。使えない理由を見せて頂きながら、場所を歩きながら見せて頂きましたけれども、オフサイトセンターというのは一旦原発事故が起こった時に目の前に大きな画面が合ってそこに色んな数値が出て、その数値を基にして色んな指示を出さなくちゃいけない。いわゆる現場における対策の拠点なんですね。そんな装置は何もありません。そしてそこには現在のところですと原子力安全保安院から200人ぐらいエキスパートが来るわけです。それを入れる場所がありません。何のためのものですかと言ったら、消防団が入ったり。いわゆる災害が起こった時に、原発の現地対策本部というものとして使えるような代物ではないということは強調されました。他に部屋は無いんですかというふうに三階に上がってみたのですけれども、ここは皆さん方が入るような部屋だとか、要するに小さいんですよ。そしていわゆる普通の会議室のようなものがざっと並んでいるだけで、ちゃちなと言ったら申し訳ないけれどもいわゆる今の浜岡、御前崎にございますようなそれなりの装置を揃えたようなそうしたところでは無いですね。それははっきりした。じゃあどうするかということで、色々な人たちの御意見を伺う中で警戒区域が今まで20kmです。ですからちょうど20kmのところにある富士山空港の西側20ha、そのうち4haと16haに道路に隔てられていますけれども、いずれはそこに橋を渡せば20ha強の大きさになりますけれども、そこが最高の後方支援の拠点にもなるし広域的な防災拠点にもなるし、かつ遠くもなく近くもなく。福島の場合ですと5kmのところにあったものが駄目で、5、60km離れた福島県庁に置かれたわけですね。そのことが現場感覚を無くすようなことにもなったとも思っていますし、同時に本来福島県庁にそこがあっても毎日毎日の日常業務ではルーチン化はしていますけれども現場に入らなくちゃいけないんですよ。入れるようなところになくちゃいけないんです。今8人働いています、御前崎で。あまりにも遠いというわけにもいかないですね。しかし磐田は29kmなわけです。しかし富士山空港のほうは20kmですから。道路も決してそう悪くは無いのでそこがいいということでこれは自衛隊、米軍、警察、消防が入れる。そして国も入れる。そして関係者、国交省の政務官、自衛隊の静浜の基地司令、あるいは浜松の空自の司令官等に見てもらっておりまして、そこはそういう問題志向を持って見て頂いた人にはこれはこの為にすらあったと思われているぐらいのところです。ちなみにここでも申し上げたかもしれませんけれども、あの空港については不法に収容したということで県は訴えられています。国も訴えられています。これで地裁はこれを退けました。高裁の判決の中で、地権者の主張を退けたものですけれども、広域の防災拠点としてあの富士山空港は役に立つと二回も、その空港が有用であるということを言う中の三つのうち二つにそれを挙げているということもありまして、今回仙台空港あるいは我々にとって花巻空港、なかんずく仙台空港が非常に大きな役割を果たしました。さらに言えば自衛隊の松島空港もそうですが、その空港の持っている防災についての役割というのは大きく見直されていますけれども、そうした防災をする上での最良の場所。しかも新幹線が通っているので。新幹線は自動的に止まります。今回の東日本の時には止まりました。すうっと止まった。そして揺れが来て、しかし大きな事故も起こらないまま止まった。そして修復も早かった。仙台、盛岡、青森と順次開通していきました。そうして人も送れるということでですね、あそこには防災的観点から駅も作らねばならないというふうにJR東海の人もそろそろお分かりになってきたのではないかと思っています。

ちなみに質問から少し外れますけれどもあえて蛇足を付け加えますと、この度JR東海さんは各県にひとつ駅を作るということで各県応分の負担をするべし、いや全額の負担をするべしという姿勢を根本的に改められて、各県一つずつ自分たちが作るというふうに英断を下されました。ところが私どもはもともとリニア新幹線が本県を通るとは思っておりませんでした。だいたい松本のほうにいくんじゃないか。一番南と言ってもその中間ぐらいを通るかもしれないとか、色々な事があったのですけれども、なんと本県を通りますね。本県をかすめるわけです。じゃあ本県も駅を作るべきじゃないですか。一県につき一駅とうことであれば。しかしまあ南アルプスのところですから、そこはトンネルの駅になるし、三千億、四千億かけるようなそういう馬鹿げたことはしなくてもいい。その代わり既存の新幹線の活用をするうえでこれは国の正式の報告の中で、新しい駅を作って、既存の新幹線、現在の新幹線を利活用するべしというふうに言われている。その具体的な中身は空港の真下の駅です。ですからそこに駅を作ることは単に既存の新幹線の活用だけではなくて日本の広域的防災、特に東と西との間で人の行き来がまず最初に迅速にかつ大量に送れる。そういうその新幹線の駅が無いことによって防災拠点の人的なバックアップが遅れるということが見えてきておりますので、そういう意味でも先程のオフサイトセンターを含めてこの20kmのところにある富士山静岡空港がそこだということを強く申し上げております。これは関係者にお目にかかるたびに言っておりますので、記者さんの耳に入っていなかったのが不思議なくらいです。

<記者>
 前半の安全協定でもうひとつ聞きたいのですけれども、本県EPZ無くなると、他の原発のように立地自治体と周辺自治体と分けられると思うんです。要するに浜岡原発のような周辺まで協定に含んでいるところだと、あとは泊(原発)ぐらいしかないと思うんです。ですから含むのであれば、基本協定のほかは隣接する近隣協定のような形で地元とがはっきり分かれると思うんですが、これを機に見直そうという考えはありませんか。

<知事>
 まあ、今いろんなことを見直さなくちゃいけない事になっておりまして、その安全協定もそのうちの一つですね。







リニア新幹線、空港新駅について

<記者>
 先ほどのリニア新幹線の関係で一県一駅が必要だという話でしたけれども、これは正式な話としてJR東海なりに要望されているのでしょうか。

<知事>
 一県一駅というのはリニア新幹線がルートが決まり、そしてそれが通る県がありますね、そこが一駅は持ちたいということで、どういう取り決めがあったかは知りませんけれども、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県、愛知県、三重県、奈良県、大阪、こういうふうにそれぞれ代表が出てどこに作るか誰が作るかということをやってこられたわけです。私も学者仲間で長野県代表でリニア新幹線の委員会にも加わっていた事がございまして、その中で静岡県を通るという話は全くなかったのですよ。この春に、交通政策審議会中央新幹線小委員会で答申が出て初めてルートを知って静岡県を通るということが分かったということで、五月の連休の時に私は見に行ったということでございます。その一週間ほど後にJR東海山田社長が来られて協力を頼むと言われて、その協力は私は通る時にどこを通るか御存じかと(聞いた)。地図でしか見ていない、まだ行っていない、と。私は見に行った、早く行かれればよい、と。暖かいときに見に行かないと冬寒いですからね、2000mぐらいしか見えないんですよ。2000m上に立たないと見えないんです、遠いところが。そういうお話をしたんですよ。しかしその時にはむしろ協力をするというお話をしたんです。駅の話はだいたい県がその負担をするという方向で話をされていましたから、知事会は。それについて皆さん、通る県の知事さんたちは、そういうことは高くお金がかかるから出来ない、だからJR東海に負担をしてほしいという要望されていました。そしてトンネルの駅というのは仮にリニア新幹線の静岡駅が出来るとすればトンネル駅しかありえませんからこれは数千億かかるということは既にもう試算されていましたので、そういう馬鹿な申し出はしなかったのです。改めてJR東海が駅すべてについて九千億から六千億ぐらいかかるんですが、全部負担すると言われて、なかなか気前がいいなということが分かりました。もう一方、既存の新幹線につきましては、この駅については申し上げております。JR東海の山田社長に直接申し上げました。リニア新幹線についての御協力を要請に来られた時に。だけどその時は歯牙にもかけられなかったというのが印象です。すなわち掛川と近すぎる。そして福岡と競合するということがあって、そもそも駅を作るときには静岡県と協力をするというふうなそういう姿勢は全くお持ちでなかったということが、その時の会話ですぐに分かったわけです。しかし外堀を埋めていきまして、あるいは「外堀が次第に埋まってきまして、この新幹線駅が持っている、新しい空港新駅が持っている可能性というものは徐々に使っている人に分かってきた。ただトップに届いているかどうかはまだ分からない。したがって質問については正式には要請していないけれども、インフォーマルな形ではその話は出ている。ただしリニア新幹線の駅としてではないということです。

<記者>
 今までは地元負担でリニア新幹線の駅を建設するというのは、この間のJR東海が、自分たちでやりますということになって、やはり静岡も通過するのに、静岡には何もないのはやはり不公平だというようなお考えがもとにあってですね、先ほどのような御発言になっているのでしょうか。

<知事>
 いえ。横並びはしません。そもそも静岡の通過地点というのは南アルプスの真下で、そういうところにあまりにも大型の駅を作るということは自然破壊につながりますし、それは良くない。ただ、どういうところかということを見ておかなくちゃいけないし、もしそこで工事をする場合に、どんな影響が起こりうるか。また、その工事によって何か静岡にメリットが出てくるかどうか。例えば土砂が出ざるを得ない。その土砂をどう運ぶかという時に今は非常に行きにくくなっている道がございます。そうした道が整備できるかもしれないという可能性も探りに行ったのです。ですから観光に行くと言っても、ここからずっと歩いて行くわけにもいきませんので、途中まではバスで行ったり、あるいは自家用車で行ったりするというようなことがございますね。そして本来山の中に入っていくときは靴でてくてく歩かなくちゃいけませんが、何かの時に必要な車両が入れるようなところがないと具合が悪いというようなことがあって、いろいろなそういう防災的な観点からも行ったということでありまして、さしあたって隣の県にも作るからうちの県にもという、そういう卑しい考えを持っていなかったのですが、ただ、既存の新幹線の駅をそういう形で考えてくださるような器量があれば嬉しいですね。

<記者>
 他ありませんでしょうか。ではそろそろお時間ですので。ありがとうございました。



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